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重い病克服し、野球再開した中1 師弟二人三脚で白球追う喜び取り戻す

6/12(月) 11:07配信

西日本新聞

 重い病気を乗り越え、大好きな野球に再び打ち込む少年がいる。北九州市八幡西区の黒崎中1年の森荘太君(13)は小学4年の時、大腿骨(だいたいこつ)への血流が止まり骨が壊死(えし)する「ペルテス病」を発病。リハビリで歩けるようにはなったが体力不足で「野球が嫌いになっていた」時期に、自営業金子俊彦さん(26)=同区=と出会い、二人三脚の練習で白球を追う喜びを取り戻した。

「荘太から笑顔が消えた」

 小学1年で地元のソフトボールチームに入団した森君。4年生でベンチ入りするほど上達したがその年の9月、股関節が激しい痛みに襲われた。成人では国が難病に指定しているペルテス病だった。緊急手術後に3カ月の入院。約1年半は車いす生活を送った。

 医師には「日常生活に戻るのが目標」と言われたが、懸命のリハビリで昨年春には歩けるまでに回復。ソフトボールも再開しようとしたが、母景子さん(34)は「筋力が落ち、打っても守ってもダメ。いつもにこにこしていた荘太から笑顔が消えた」と振り返る。

 そんな時に親戚の紹介で出会ったのが金子さん。やはり野球少年だった金子さんは「基本ばかりを細かく教え、自分らしくプレーできない指導法に疑問をもち」、米大リーグ選手を多数輩出する中南米球界の指導法を独自に研究していた。

小学校卒業時にはホームランと打点王に

 昨年6月ごろから、マンツーマンで練習。スイングのタイミングが合わなければ「どうしたら当たるか考えて」と助言するなど、金子さんは怒ることはなく個性を尊重して指導。イチロー選手が得意とする「背面キャッチ」も教えた。「自信が持てた。野球の楽しさを思い出した」という森君は体力も次第に取り戻し小学校卒業時には、ソフトボールのチームでホームランと打点王に輝いた。

 森君への指導経験を経て「考えさせることで問題克服の力もつく」と実感した金子さんは4月、自身が小学生時代に所属し、その後廃部になっていた少年野球チーム「大原イーグルス」(同区)を復活させ、8人に週3回指導している。

 「将来はメジャーリーガーになりたい」という森君は今、中学生のクラブチームに所属。金子さんも「野球を通して人間性を育てたい」と意気込む。二人三脚での挑戦はひと区切りがついたが、師弟はそれぞれの夢を膨らませている。

西日本新聞社

最終更新:6/12(月) 11:07
西日本新聞

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