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中国クルマ市場、変わる嗜好 燃費・デザインから車内装備に価値観移る

6/12(月) 12:45配信

日刊工業新聞電子版

■スマホ連動やAI活用、中国人好みに

 中国の自動車市場が変わり始めた。燃費や外観を重視してきた自動車ユーザーが、オーディオやスマートフォンとの連携など車内での“楽しさ”“快適さ”を求めるようになってきた。自動車各社も自社開発やベンチャー企業とタッグを組んで、エンターテインメント性やデジタル機器との連携など新たな付加価値の創出を追求する動きが出ている。

 「中国市場での成長戦略の柱の一つとして、今後はサウンド分野に力を入れる」。パイオニア中国の磯政之社長は、音響システム事業の強化に意欲を示す。

 パイオニアはこのほど、現地自動車メーカーの長安汽車向けに音響システムを個別開発。長安汽車が3月に発売したスポーツ多目的車(SUV)に採用された。車内の前方・後方ドアや中央部など計10カ所にスピーカーを設置し、強みの音響調整技術を駆使して、中国人が好むなめらかで穏やかな音質を実現した。

 同社は従来、日系完成車メーカーを主要顧客としていたが、今後の成長性を見据えて中国市場に着目。市場を開拓する上で「地場のメーカーに入り込むことが重要」(パイオニア中国の担当者)と判断し、システムの生産から調整までを初めて現地で手がけた。長安汽車から高い評価を得ており、今後ほかの車種にも採用される見込み。「ほかにも4―5社程度の地場メーカーへ導入が決まっている」(磯社長)という。

■外観よりも車内性能を重視

 中国は2009年に年間自動車販売台数が1364万台に達し、米国を抜いて世界最大市場となった。以来、16年まで8年連続で世界トップの座を維持している。自動車保有率の高まりとともに、消費者のニーズも変化しており、完成車メーカーにとっても、新技術をいち早く取り入れたクルマ作りが重要性を増している。

 現地の電気自動車(EV)メーカーの比亜迪汽車(BYD)は「外観よりも、車内の性能を気にする消費者が増えている」(ゴン・ウェイセールスマネージャー)と需要の変化を分析。同社はこのほどスマートフォン(スマホ)と連携可能なディスプレーを自社開発し、4月に発売したプラグインハイブリッド車(PHV)に搭載した。

 スマホでダウンロードした映画をディスプレーに表示したり音楽を聴けたりするほか、万が一事故が起きてもネットワークを通じて家族への連絡などが可能だ。ゴンマネージャーは「地場メーカーである我々には、中国人が何を求めているかがよくわかる」と、海外勢と比べた優位性を強調する。引き続き、ネットワーク対応の技術開発を進め、商品価値を高める考えだ。

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