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FaceAppの顔フィルターが天才的な理由と、そうでない理由

6/12(月) 21:10配信

ギズモード・ジャパン

人類共通のことと、そうじゃないことと。

ここ最近FacebookやInstagramで、妙にキレイに、またはちょっと不気味に、加工された顔写真がたくさん流れてて、気になっている方も多いんじゃないでしょうか。それは「FaceApp」というiOS/Androidアプリによるもので、これを使うと写真の表情を変えたり、見た目を若くしたり年取らせたり、性別を変えたりもできるんです。

【画像】FaceAppの顔フィルターが天才的な理由と、そうでない理由

このアプリの機能は、人工知能(AI)のひとつであるニューラルネットワークで可能になっています。ニューラルネットワークの手法では、コンピュータに数千、場合によっては数百万もの画像例を分析させ、特徴を学習させます。

ニューラルネットワークは今や日常生活の中でさまざま活用されていますし、顔認識技術もだいぶ前からあちこちで使われています。でもFaceAppを使ってみると、AIによる人間の顔の捉え方がまるで人間みたいであることが感じられます。全部細かいところまで仕組みがわかっているわけじゃありませんが、FaceAppのデベロッパーがこれまでに提示した理論やヒントから考えると、このアプリのアルゴリズムは、人間が他人の年代や女っぽさ・男っぽさといったものを判断するときに使うのと同じ特徴を捉えているようです。

「若さ」の秘訣

ゲティスバーグ大学の認知研究所所長で、FaceAppの開発には関わっていない心理学者のRichard Russell氏によれば、顔の年齢の受け止め方はいくつかのキーとなる変化に集約することができます、年齢についてのわかりやすい特徴は、パッと思い浮かべるとシワとかシミ、たるみ、白髪といったものがあります。が、FaceAppではこれらに加え、もっと微妙な変化も顔の画像に反映しています。

こちらはこの記事を寄稿したサイエンスライター、Christie Wilcoxさんのフィアンセ、Jakeさん。真ん中が元の画像、上がFaceAppの「OLD」フィルターで作った画像です。特に目元に注目してください。

「OLD」フィルターを使うと目が小さくなるだけでなく、目の周りの肌色が赤っぽくなるとともに、目の色は濁って、目が相対的に目立たなくなっています。顔のパーツと皮膚のコントラストが小さくなるのはマイナーな変化のように見えますが、Russell氏の研究でも、このコントラストが年齢の推定において重要な役割を果たしていることがわかっています。

逆に大人の顔を子どもの顔に変えるときは、また別の変化が必要になります。子供の顔では、たとえば目や口といったパーツが相対的に大きく、額は小さくなります。なのでFaceAppの「YOUNG」フィルターはそれらの特徴を反映しつつ、大人であることを明示するヒゲなどはなくしています。その結果、3つ目の画像ができます。

ただしFaceAppは、男性を幼くすることには長けているのですが、女性の場合あまりうまくいかないみたいです。

左と右で、見た目年齢が大してかわっていません。これはおそらく、大人の女性と少女の顔の違いは、大人の男性と少年の顔の違いほど大きくないからだと考えられます。Russell氏も「思春期を通じて、男性の顔にはより大きな変化が起こるのです」と教えてくれました。

人は年齢とともに、たとえば顔の下半分が相対的に大きくなるとか、目が小さくなるとか、あごが大きくなるとか、眉周りがたるむとか、いろいろな変化を経験します。ただこれらは、女性より男性においてはっきりと起こります。なのでAIが大人の女性を若返らせようとしても、相対的にできることが少ないのです。

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