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「骨をポキポキと折って」 日ハム村田、「おっさん」が涙の1勝を挙げるまで

6/12(月) 7:40配信

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32歳、元ドラ1右腕が古巣巨人から10年目の初勝利「おっさんになったので…」

 日本ハムの村田透投手が11日、本拠地での巨人戦でプロ初勝利を挙げた。ドラフト1巡目で巨人に入団して10年目。米国を経て今季日本ハム入りした32歳の苦労人は、男泣きした。

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 これ以上ない完ぺき過ぎるシナリオだった。満員の札幌ドームで古巣相手にプロ初勝利。お立ち台では「やっと来れたというか…」と言った後に言葉を詰まらせた。「ありがとうございます。たくさんの人に応援してもらい、ここまで来れました」と続けた言葉は、もう涙声になっていた。

 5度目の先発で今季一番の投球を見せた。初回いきなり先頭の陽に中前打を許した後、続く石川を得意のツーシームで併殺打に打ち取る。4回まで3安打無失点と危なげない投球。勝利投手の権利がかかった5回に長野、クルーズに連続二塁打を許したが、1失点で乗り切った。

「点を取ってくれて楽に投げさせてもらいました。4回までは良かったですけど、5回は自分の中では小細工しすぎてしまった」と収穫と反省の入り混じった69球。吉井投手コーチは「動く真っすぐ、強い真っすぐが行っていた」と評価した。

 巨人入団当時に「(自分の投球を)一度は受けてもらいたい」と憧れていた4番・阿部を2打席とも外野フライに打ち取った。「同等に対戦できるところまで来たんだなと思いました」と感慨深げに語った村田。「勉強させてもらったジャイアンツでの3年間が大きかった。感謝しかない」と言葉をつないだ。

戦力外、米挑戦…「一流ではないので、自分を変えていくしかないと思った」

 巨人では1軍登板がないまま、3年で自由契約になった。「この先やっていけるのかとショックだったし、不安だった」と当時を振り返る。社会人入りの話もあったが、断った。「プロとしてやって結果を残したい。それを諦めるのは(野球を)辞める時」。覚悟を持って米国に渡ると、それまでの投球スタイルを捨てた。

「固いところ、譲れないところがあったけれど、自分の骨をポキポキと折って適応した。そうでないとやっていけない環境だったので。一流ではなので、自分を変えていくしかないと思った」。ツーシーム主体の投球術を身につけて、メジャー昇格も果たした。

 巨人のドラ1が回り道をして10年かかって手に入れた白星。「おっさんになったので。二十何歳で取っていたらまた違ったのかな」と照れくさそうに笑った。

 お立ち台では「オールドールーキーの村田です。まだ1勝目ですが、これから続けていけるように頑張ります!」と力強く宣言した。1勝目はスタート、32歳右腕が目指すゴールはまだまだ先にある。

石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa

最終更新:6/12(月) 7:40
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