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日本は本当に健康大国か? 受動喫煙を禁止できない政治の愚

6/12(月) 19:55配信

ホウドウキョク

受動喫煙対策を強化する法案が迷走

厚労省は今国会での成立をめざし、床面積30平方メートル以下のバーやスナック以外は原則屋内禁煙とする法案を主張するが、自民党側はすべての飲食店を対象に、100平方メートル以下の店は店頭に『喫煙』や『分煙』などと表示すれば喫煙可能とする案を提示し、両者は合意には至っていない。

受動喫煙の健康被害は、国内外で広く研究、検証がされている

アメリカのワシントン大学では、世界で年間60万人が受動喫煙のために亡くなっているというデータを発表した。同じくアメリカの政府機関Surgeon Generalは、受動喫煙の影響で肺がんの罹患率が2~3割上昇し、幼児においては、受動喫煙により気道感染が5割、喘息が3割以上上昇するとの報告書を出している。

自民党の部会では、一部議員から「私が家の中でたばこを吸っても、子どもも孫も一切不満は言いません」などという噴飯物の発言まで飛び出していた。

受動喫煙の健康被害に対する意識の低さ、無見識は驚くべきである。

自民党側が主張するのは飲食業の売り上げへの影響

受動喫煙禁止を巡る議論の中で、自民党側が主張するのは飲食業の売り上げへの影響だ。

飲食店への影響について、医療経済学を専門とするハーバード大学公衆衛生大学院の津川友介氏は、「飲食店全体でみれば影響はないと考えられます」と強調する。

アメリカの調査機関によると、飲食店の売り上げへの影響は、バーが6%低下するものの(長期的には変化なしと推定)、レストランに変化はなく、ホテルやアミューズメント施設も含む接客業全体では4%上昇するという。

津川氏は、「飲食店には勝ち組と負け組が出てくるでしょう。お酒をメインにしている店は、食事も提供するなど営業努力が必要となります。一方、日本人の8割は非喫煙者です。これまで分煙を嫌がっていた非喫煙者が、店に来るようになれば売上を伸ばすチャンスとなります。」

レストランなど食事メインの場所が禁煙にすれば、これまで喫煙や分煙を嫌って訪れなかったファミリー層や妊婦などの集客力が増す。

人口の8割を占める非喫煙者か、2割の喫煙者か。どちらにアプローチすれば顧客層が広がるのかは、一目瞭然だ。

さらに2019年にはラグビーのワールドカップ、2020年には東京五輪が控えている。これまで以上の訪日外国人数が期待される中、受動喫煙に敏感な彼らの目に『タバコの吸える食堂やラーメン屋』はどう映るだろうか。今後期待されるインバウンドにも、影響が大きい。

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最終更新:6/12(月) 19:55
ホウドウキョク

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