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スーパーラグビーで得た財産。浅原拓真が感じた「スクラム偏差値」とは。

6/12(月) 18:08配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 浅原拓真が最後にテストマッチを経験したのは2013年6月1日。パシフィック・ネーションズカップのフィジー代表戦(●8-22/ラウトカチャーチルパーク)での途中出場だった。
 以後は同年11月12日のグロスター戦(●5-40/グロスター・キングスホルムスタジアム)、翌年4月26日のアジアパシフィックドラゴンズ戦(●29-35/大阪・近鉄花園ラグビー場=当時)などJAPAN XVの非テストマッチに参戦したのみで、しばらく正規の代表のジャージィから遠ざかっていた。

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 そして2017年6月10日、熊本・えがお健康スタジアム。6キャップ目となるルーマニア代表戦で背番号3をつけ、33-21で勝った。4年ぶりのテストマッチ挑戦だったが、国際舞台でのブランクを感じなかった。国際リーグのスーパーラグビーに出ていたから、その日の相手への驚きは少なかった。

「高揚感はありました。桜(のエンブレム)を付けられてすごくうれしかったです。ただ、誰かが言っていたんですけど、スーパーラグビーは毎週がテストマッチのようなものだ、と。…まぁ、そういう感じでした!」

 身長179センチ、体重113キロの29歳。国内屈指のスクラムの組み手として評価され、一時はアイルランドの強豪クラブであるレンスターからもラブコールを受けたことがある。
 2016年からは2季連続で日本のサンウルブズに入り、スーパーラグビーを経験。右PRとして初年度は14試合、今季もここまで9試合をプレーし、南半球勢との衝突を繰り返してきた。テストマッチそのものから離れている間に、テストマッチ級の圧力への免疫をつけていたのだ。

 最大24点リードを奪うも33-14とされた後半17分に退く。代わって入った伊藤平一郎が一時退場処分を受けた23分には、スクラム対応のため再投入された。33分まで戦いきり、ロッカールームへ引き上げた頃には目の周りにこぶを作っていた。いつのタイミングでか、誰かの「肘が当たった」らしいのだが、それを見たジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチにはこう言われた。

「こぶができたということは、それだけいいプレーをしていたということだ」

 反省もある。見せ場のスクラムで、である。

 日本代表では、長谷川慎スクラムコーチがサンウルブズでの活動期間も活用して8人一体型のシステムを醸成。この日もその形を全うしようとしたのだが、互いに組み合う際などの微妙な揺さぶりに難儀。つぶれては組み直しの繰り返しとなった。

 駆け引きを重ねて迎えた後半27分、自陣ゴール前右での一本からコラプシング(わざと塊を崩す反則)を取られる。相手に21点目を献上してしまった。

「難しかったっすね。相手の方が、スクラム偏差値が高かった気がして。弱点をうまく突かれたな、という感じもしました。僕らがまとまりたいところを、そうさせてくれなかったり…」

 戦前から力強いと見られていた東欧の雄に極端に気圧された気はしなかった。それだけに、歯がゆさが残る。

「(好感触は)ありました。ただ、僕らがいいヒットをした瞬間にうまく引かれて、組み直しや僕らのコラプシングになったり。あれも、うまさですね。きょうのレフリーが客観的に見て、向こうの方が強いと感じたのか…。自分たちがやれているものも何本かあったので、悔しいです」

 チームは17日、24日とアイルランド代表に挑む。「毎週テストマッチ」を経て臨んだ久々のテストマッチでのトライアンドエラーを、勝利につなげたい。

(文:向 風見也)