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「映画には美しさと力がある」大林宣彦監督が“命がけ”で伝えた巨匠・黒澤明の遺言

6/12(月) 20:28配信

BuzzFeed Japan

「黒澤明の400年目の映画を私たちが作るんだーー」。映画「時をかける少女」や「転校生」を手がけた大林宣彦監督が11日、公式審査員として出席した国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2017」のアワードセレモニーで、故・黒澤明監督が未来の映画人へ託した「遺言」を後輩たちに贈った。【BuzzFeed Japan / 伊吹早織】

「本当はいまここにいないはずでしたが、まだ生きております。生きているならば、私がただ一人胸に温めておりました、黒澤明監督が未来の世界の映画人に遺した『遺言』をお伝えしようと、いま、命がけでここに立っております」

大林監督は昨年8月、監督の映画人生の集大成と位置付ける作品「花筐」の撮影開始前日に、肺がんの第4ステージ、余命3ヶ月の宣告を受けた。その日から約10ヶ月。杖をつき、腰を少しかがめた姿で舞台に立った大林監督はゆっくりと語った。

「黒澤さんが遺言としておっしゃったのは、こういうことでした。『大林くん、人間というのは本当に愚かなものだ。未だに戦争をやめられない。しかし(人間ほど)こんなに愚かなものはないけれども、人間はなぜか映画というものを作った。映画というのは不思議なもので、事実を超えた真実、人の心の真を描くことができる。映画には必ず世界を戦争から救う、世界を平和に導く美しさと力があるんだよ』」

1943年に監督としてデビューした黒澤監督は、太平洋戦争中も厳しい情報統制のなか映画を作り続けた。1998年に88歳で亡くなる前、晩年に大林監督に託した言葉はこう続く。

「戦争はすぐに始められるけど、平和にたどり着くには少なくとも400年はかかる。俺があと400年生きて映画を作り続ければ、俺の映画できっと世界中を平和にしてみせるけれども、俺の人生が、もう足りない」

「だが、俺が80年かけて学んだことを、君なら60年でできるだろう。そうすると20年は俺より先に行けるぞ。君が無理だったら君の子供、さらにそれがダメなら君の孫たちが少しずつ俺の先を行って、そしていつか俺の400年先の映画を作ってくれたら、その時にはきっと世界から戦争をなくす。それが映画の力だ」

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最終更新:6/12(月) 20:34
BuzzFeed Japan