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[記者手帳]THAADから見た韓米同盟

6/12(月) 7:16配信

ハンギョレ新聞

 韓国と米国は同盟国だが、その関係が平坦ではないというのは新しくもない事実だ。韓米間の利害がぶつかった時、主に米国の立場が貫徹されるため、傾いた運動場であるわけだ。力学関係による現実だから仕方ないとは言えど、今回のTHAAD(高高度防衛ミサイル)問題でそのような現実が再び強要されるのを見守るのはあまり愉快なことではない。

 文在寅(ムン・ジェイン)政府がTHAAD配備問題について、国防部の報告を受けあれこれ突き詰めるのは当然だ。前政府から受け継いだ継続事業なので、どうするべきなのかを調べなければならない。しかし残念ながら、その過程で明らかになったのは嘘と隠蔽といった不道徳性であり、手続き上の欠陥だった。国防部はこれまで在韓米軍にTHAADの配備地域として供与した土地が32万平方メートルだと主張した。法は33万平方メートル以上なら「環境影響評価(アセスメント)」を、33万平方メートル未満なら「小規模環境影響評価」を受けるよう定めている。それで、小規模環境影響評価を行うとした。しかし、大統領府の発表によればそうではない。国防部が供与する計画だった土地は、全部で70万平方メートルだが、環境影響評価を避けるため、32万平方メートルだけをまず米軍に提供したという。詐欺劇であり欺瞞だ。調査して正すべきことを正すのは、政府の当然の責務である。

 しかし、このような当然のことをするのにも、政府は米国の顔色をうかがわなければならなかった。環境影響評価の実施検討について米国で疑問と不満の声が上がると、政府は繰り返し「国内的手続きを進めることに過ぎず、THAAD配備の決定を変えようとするものではない」というメッセージを伝えなければならなかった。文大統領が自ら大統領府で米政府関係者と議員たちに会って話し、チョン・ウィヨン国家安保室長は米国まで行ってきた。韓米対立は常に韓国政府にとって政治的負担が大きい。だから、文在寅政府がTHAAD配備に対する「手続き的正当性」の刀をちゃんと振ることができるのか、そろそろ疑わしくなっている。

 米国の立場からすれば、どうであれ韓米が一緒に決定したことを政権が変わったからといって問題提起するとは? 気分を害しうるであろう。ましてやTHAADは「米国で政治的スペクトルを行き来しながら広範な支持を受けている」(昨年12月の米議会調査局(CRS)の報告書)武器ではないか。また、在韓米軍のTHAAD配備は米中対立の象徴となった。韓国政府の異議提起には中国寄りの性向が反映されたのではないか、と疑いたくなるかもしれない。

 しかし、米国は今回の論議の責任から完全に自由ではない。韓米は昨年2月「THAADの配備を公式協議する」と発表した後、年内配備を目標に「速度戦」を行った。国防部の詐欺劇はこのような「超短納期」に合わせるため、環境影響評価を迂回するしかなかったという事情から起こった。政権交代期、敏感な争点に関する決定を国民の新たな委任を受けた次期政権に任せることは、あえて言うまでもない慣例だ。しかし、徹底的に無視された。THAADの配備を推進していた朴槿恵(パク・クネ)当時大統領は、昨年12月9日に弾劾訴追案の国会通過で職務停止の状態になった。今年2月のロッテとの土地交換契約締結、3月のTHAADの一部国内搬入は、そのような異常状況で強行された。THAAD発射台2基の星州(ソンジュ)配備は、3月10日の憲法裁判所の朴大統領罷免の判決後に奇襲的に行われた。米国が「黄教安(ファン・ギョアン)代行体制で決定されたことなので私にはわからない」とばかり言えるだろうか。

 国内外のメディアを通じて韓国政府を圧迫することは、同盟国がすべきことではないようだ。国内手続き問題だとしたのだから、余裕を持って待ってみよう。北朝鮮の核・ミサイルの脅威は、今日明日を争うことでもないではないか。

パク・ビョンス統一外交チーム主任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:6/12(月) 8:13
ハンギョレ新聞