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実験的な新しいサウンドが詰まった意欲作 / 『ウィットネス』ケイティ・ペリー(Album Review)

6/12(月) 11:45配信

Billboard Japan

 2008年リリースのシングル「キス・ア・ガール」で大ブレイクを果たし、『ティーンエイジ・ドリーム』(2010年)、『プリズム』(2013年)が、US・UKチャートで2作連続のNo.1獲得を果たしたポップ・クイーン、ケイティ・ペリー。彼女のおよそ4年ぶりとなる新作『ウィットネス』が2017年6月9日にリリースされ、全世界で話題を呼んでいる。

 本作からは、2月にボブ・マーリーの孫、スキップ・マーリーがゲスト参加したダンスホール調の「チェーン・トゥ・ザ・リズム~これがわたしイズム~」、4月にヒップホップ・トリオ、ミーゴズとコラボしたトラップ・ポップ「ボナペティ」、そしてリリース直前の5月19日に、ニッキー・ミナージュとデュエットしたEDM調の「スウィッシュ・スウィッシュ」の3曲が、シングルとしてリリースされている。

 プロデュースは、「カリフォルニア・ガールズ」(2010年)や「ロアー」(2013年)など、過去3作からのヒット曲を担当しているマックス・マーティン、ザ・ウィークエンドやトーヴ・ロー、アリアナ・グランデなどを手掛けるアリ・ペイアミ、テイラー・スウィフトの『1989』(2014年)を大ヒットに導いたシェルバック、全米ダンス・チャートで5曲連続のNo.1獲得を果たした、DJ兼プロデューサーのデューク・デュモン、ジェレマイの「ドント・テル・ゼム」(2014年)や、リアーナの「ニーデド・ミー」(2016年)などのTOP10ヒットを手掛けた、DJマスタード等が担当している。

 トロピカル・ハウス調のエレポップ「ウィットネス」や「ビガー・ザン・ミー」、「スウィッシュ・スウィッシュ」に似せたEDM調の「デジャヴ」、スモーキー・ロビンソンの「ビーイング・ウィズ・ユー」(1981年)をサンプリングしたハウス・チューン「パワー」、デジロック調の「ヘイ・ヘイ・ヘイ」など、これまで以上にエレクトロ・サウンドが強調されている内容で、アメリカ向きというよりは、ヨーロッパ諸国で人気が出そうなナンバーが目白押し。

 一方、「E.T.」(2011年)や「ダーク・ホース」(2013年)を彷彿させる「ミス・ユー・モア」や、ファルセットが美しいメロウ・チューン「セイヴ・アズ・ドラフト」、ピアノ・バラードの「イントゥ・ミー・ユー・シー」など、テンポを落としたナンバーも所々に配置されていて、いいアクセントになっている。

 トレードの黒髪・ロングヘアからブロンドのベリーショートにしたジャケット・アートからも、前3作のイメージチェンジを図ったことが伺える、新作『ウィットネス』。賛否は分かれるかもしれないが、実験的な新しいサウンドが詰まった意欲作で、サウンドは機械的だが、どの曲もキャッチーなサビがケイティらしく、ポップな要素は失われていない。

 なお、本作には、2016年夏に開催された『リオ・オリンピック』のテーマソング「ライズ」は収録されていない。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『ウィットネス』
ケイティ・ペリー
2017/6/9 RELEASE

最終更新:6/12(月) 11:45
Billboard Japan