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ゴリラズ主催の「デーモン・デイズ・フェスティバル」を完全レポート!

6/12(月) 21:30配信

rockinon.com

先日発売されたゴリラズの新作『ヒューマンズ』。このアルバムより先に彼らのカムバックを知らせるニュースとなったのが、「ディーモン・デイズ・フェスティバル」の開催発表であった。
その時点で確定していたアクトは、ヘッドライナー兼主催であるゴリラズだけだったにも関わらず、チケットは全て即完売。彼らの7年ぶりのライブへの期待値の高さを伺わせた。

会場は英国東部の海沿いの町マーゲイトにある「ドリームランド」。レトロな佇まいの遊園地という立地は、今作のコンセプト「世界の終わりのためのパーティ」に妙にマッチしていた。


フェスのアクトは、ほぼ全てがゴリラズのコラボレーターたち。メインステージでは、本日ヘッドライナーに次ぐ客入りを見せたデ・ラ・ソウルがベテランの域のコール&レスポンスで会場を沸かせる一方、セカンド・ステージでは、リトル・シムズやダニー・ブラウンがアーバンなビートに乗せ爆発的なエナジーでリリックを紡ぎ、入場規制がかかるほどの過熱ぶりを見せていた。

ゴリラズ開始時間となり、ステージには秘密結社のような格好をした黒ずくめの一団が出現。衣装を取ると、彼らこそがバンドメンバーであった!フロントマンであるデーモン・アルバーンの指揮のもと、“アセンション”ではヴィンス・ステイプルズ、“サターンズ・バーズ”ではポップカーン、“モーメンツ”ではデ・ラ・ソウルと、ゲストたちが次々に登場。

一方で、ステージセットやスクリーンに投影される映像の演出は、バンドの持つビジュアルコンセプトを余すところなく表現。バンド自らフェスを主催することで、これまで創作してきた音楽と映像を、ついにベストな形でライブとして届けられるようになったのだ。


中盤に入っても勢いは止まらない。“チャージャー”ではデーモンがステージから降り、観客を煽る。ケレラの美しいボーカル、グレアム・コクソンの宇宙的に歪んだギター、弾丸のようなダニー・ブラウンのラップ。
この3つが揃った完全版“サブミッション”は間違いなく今夜のハイライトのひとつだろう。日没前、遊園地がライトアップされ始めたマジックアワーに響く“バステッド・アンド・ブルー”のメランコリックな旋律は、ため息が出るほど美しかった。

危なっかしくもチャーミングなショーン・ライダーを迎えた“デア”では、大合唱が巻き起こるとともに、会場が巨大なディスコに!本編最後の“ウィ・ガット・ザ・パワー”のポジティブなメッセージに高揚感を覚えたまま、ショーはアンコールの“フィール・グッド・インク”へ突入。

デ・ラ・ソウルの笑い声が響いた瞬間、観客の興奮は最高潮へ!同じく鉄板曲である“クリント・イーストウッド”では、ケイノとリトル・シムズがフリースタイル・ラップを披露。デーモンの未だパワフルな歌声に、観客もこの夜最大のシンガロングで返していた。


中身のない音楽メディアに対する皮肉、から始まったバーチャル・バンドは今や、人種、性別、大陸、音の垣根を越えた協力者を得て、時代に警鐘を鳴らすユニバーサルなプロジェクトとなった。
ドナルド・トランプが大統領となった未来を仮定した、あくまで「仮想」として描かれた『ヒューマンズ』の世界は、ここ英国では、テロの脅威、憎しみの連鎖、国民の分断、EU脱退をめぐる混沌など、ダークな現実として影を落としている。

今夜ゴリラズが与えてくれたのは、こんな世界に立ち向かうためのパーティだったのだと思う。「ディーモン・デイズ」の美しいゴスペル・サウンドの余韻が残る中、デーモンが観客に残した「Unity(団結)」と「Love(愛)」という言葉がまさにそれを象徴していると言えるだろう。(古川典子)

rockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)

最終更新:6/12(月) 21:30
rockinon.com

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