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自治体困惑…ふるさと納税返礼品ギター真珠なぜNG

6/12(月) 10:01配信

日刊スポーツ

 返礼割合は3割まで、楽器や宝飾品はふさわしくない-。ふるさと納税の返礼品競争を受け、是正を求めた総務省の4月1日付通知から2カ月。地域ごとの持ち味を生かした返礼品を工夫してきた自治体は、見直しを進めつつも、困惑を隠せない。返礼品を品目でひとくくりに「趣旨に反する」とされた通知を受け、反発する自治体も出る中、総務省は「粘り強く理解を求めていきたい」としている。

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 ふるさと納税の寄付金は、15年度は全国で1652億円。前年度の4倍以上に上った。一方、返礼品の競争も激化。総務省は、返礼品の額は寄付額の3割までとし、楽器や宝飾品などは「趣旨に反する」と是正を求めている。

 通知と入れ違いで、本年度から世界的ブランドの地元産ギターを返礼品に加えた岐阜県中津川市は、困惑を隠せない。市内の高峰楽器製作所で作られるギターは、イーグルスの故グレン・フライさん、ブルース・スプリングスティーン、長渕剛、佐野元春ら国内外の著名アーティストたちが愛用してきた。

 昨年度、ふるさと納税で入ってきた寄付と出ていった寄付の控除額を差し引くと、1000万円以上の赤字だった。対策として6品だけだった返礼品を、ギターを含む155品に増強。ギターはすでに18件、計770万円分の申し込みがあり、昨年度の寄付総額579万円を超えた。寄付総額は4000万円に達し、桁違いだ。

 楽器は「趣旨に反する」との総務省の通知に、市の担当者は「今後どうするか、検討しています」と話した。高峰楽器製作所も「地域の名産品の1つとして市に選んでいただき、地域振興のために参加した。貝細工で名入れもしており『換金性の高い品物』とひとくくりにされるのは残念」としている。

 三重県志摩市は、総務省が100自治体に5月24日付で出した「再通知」を受けた。地元の名産、真珠が「宝飾品」と指摘された。竹内千尋市長は「重要な地場産業。宝飾品ではなく水産物」と反発。他品目は見直したが、真珠は継続する。担当者も「繁殖した小牛を肥育し、加工した和牛の肉と、養殖した貝を加工した真珠とどこが違うのか」と疑問を投げかける。

 一方、15年度のふるさと納税受け入れ額が約42億円で全国1位だった宮崎県都城市は、返礼割合が6割だったものを6月1日までに3割以下にした。人気の宮崎牛の肩ロースも、700グラムから400グラムに調整。担当者は「通知が守られず、ふるさと納税制度自体がなくなってしまうのが最悪の事態と考えている」と危機感を明かした。【清水優】

 ◆ふるさと納税 応援したい自治体に寄付すると、住民税や所得税が軽くなる制度。年収などで決まる上限以下なら、自己負担は2000円。例えば3万円の寄付で税金が2万8000円少なくなる。都市部に集中する税収の偏りを是正し、地域活性化につなげるため、2008年に導入。返礼品の高額化などで14年度から寄付が急増。16年度の寄付総額は2000億円を超えたとみられる。

最終更新:6/12(月) 10:11
日刊スポーツ