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災害時探索ロボ、八戸高専などが開発

6/12(月) 21:51配信

Web東奥

 東北大学と八戸高等工業専門学校は12日、地震などで倒壊した建物内で被災者を捜索するヘビ型ロボットを改良し、障害物を乗り越えてがれき内を進める新型を開発したと発表した。ノズルから高圧空気を噴射して先端部を30~50センチほど浮上させ、段差を越えられる。空気噴射で浮上する機能を持つヘビ型ロボットは世界初という。ノズルを開発した八高専の圓山重直校長は「人命を救うため時間勝負となる災害現場では有効な機能」と話している。
 ヘビ型ロボットは直径約5センチ、長さ約8メートル。樹脂と金属による柔軟な構造で、先端にカメラとライトを持つ。表面を覆う無数の繊毛を振動させて前進し、人間や救助犬では通過が難しい狭い隙間に入り込める。操作はオペレーターがモニターを見ながら有線で行う。
 従来型は地表をはうだけのため、前方にがれきの段差があると迂回(うかい)していた。開発グループは、先端を持ち上げて段差を越える機能を加える研究に2年ほど前に着手。東北大に当時在籍していた圓山校長は専門の熱流体工学を生かし、カメラが前方を向く姿勢で先端を安定浮上させる噴射ノズルを開発した。外部から送る圧搾空気を噴射して自在に先端を持ち上げ、ノズルの角度操作で素早く左右に首を振れるようになった。
 今春の八高専校長就任後も東北大に赴き実験を重ねた圓山校長は「姿勢安定に必要な空気圧やノズル角度の制御が大変だったが、高い視点から広範囲を迅速に探索できる。がれきに埋もれ、助けを求める人を発見するのに役立つ」と言う。
 災害用ヘビ型ロボット開発は、内閣府の研究プロジェクトの一環。熊本地震の建物倒壊現場や、東京電力福島第1原発1号機のがれき内調査などに投入されてきたが、がれきの乗り越えが課題の一つだった。
 浮上機能を持つ改良型の現場投入時期について、圓山校長は「間もなく準備が整う」と説明。さらなる改良や新型の開発も視野に入れていると言い、「将来は八高専でも実験に取り組みたい。学生たちが興味を持ち、研究を進めるきっかけになれば」と話した。
 同日、仙台市の東北大で改良型ロボットが報道陣に公開された。

東奥日報社

最終更新:6/13(火) 8:51
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