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東京とソウル、首都玄関駅の利用者に8倍以上の差 ソウル駅の再開発事業が活性化につながらない理由

6/13(火) 6:40配信

ZUU online

31万人対250万人。ソウル駅と東京駅の一日の利用者数である。日本と韓国の人口差は約2.4倍で、首都圏人口は出典によって計算式が異なるが、国連統計局の基準では3.7倍となっている。首都の玄関口である東京駅とソウル駅の1日の利用者は8倍以上の差があり、毎日経済新聞は、ソウル駅が一国の首都の玄関口である中央駅の役割を果たしていないとことを如実に示すと伝えている。

■東京駅とソウル駅の違い

東京駅は交通の拠点であると同時に、ビジネスやショッピングで訪れる人も多いが、ソウル駅は鉄道を利用する以外の目的で訪れることはない。

東京駅周辺は2002年に制定された都市再生特別法によって再生事業が行われた。東京駅周辺はオフィスやホテルやショッピング街など、さまざまな目的で利用できる空間として整備された。多くのビルが東京駅と地下で繋がっている。

ソウル駅は、2004年のKTX開通に合わせて再開発が行われている。2003年に民間資本でソウル駅舎を新たに建てたが、しっかりとした再生プロジェクト等はない。ソウル駅のショッピング街は、大手スーパーのロッテマートとロッテアウトレットのみで余暇を楽しめるところはない。そのロッテマートも月2回、日曜日に休業する。ショッピングを楽しむ市民はソウル駅を避け、地下鉄で1から2駅離れた南大門市場や明洞に向かう。

ソウル駅から南大門市場は徒歩圏内だが、ソウル駅と近隣をつなぐ地下道はホームレスが多く、夜になると人々が避けるエリアになっている。ソウル駅と地下でつながっているオフィスとショッピング、レストランなどが入居する複合施設のソウルスクエアは、週末は閑散として多くの店が休業する。

1925年に竣工した旧駅舎の建物は「文化駅ソウル284」という名称の文化・展示スペースに変わったが、一年の訪問者数は32万人程度にとどまっている。

■活性化につながらないソウル駅の再開発事業

2017年5月に高架歩道の「ソウルロ7017」が開通した。老朽化した高架道路を活用し、ソウル駅と南大門市場を高架で結ぶ歩道だ。ソウル市は多くの市民を引き入れたと自評しているが、ソウル駅や周辺との連携はなく、周辺の活性化には繋がらない。新たにできたスポットとして、物珍しさで人々が集まっているに過ぎないだろう。

2018年2月に開催予定の平昌冬季五輪に向けた整備も進んでいる。当初計画されていた仁川空港と五輪会場を結ぶ鉄道は、五輪後の採算が合わないとして断念。かわりに、既存の仁川空港とソウル駅を結ぶ空港鉄道と京義線・中央線、新たに建設する原州江陵線を連結する計画で、空港鉄道と京義線・中央線の連結工事が急ピッチで進められている。

ソウル駅のKTXなど長距離路線用ホームは飽和状態にあるという。ソウルと釜山など南東部を結ぶ京釜線はソウル駅が始発で、南西部に向かう湖南線は龍山駅始発だったが、龍山駅始発の京釜線を新設するなど、ソウル駅を利用しない鉄道利用者も増えている。

周辺開発が進む龍山駅は、オフィスこそ少ないが、駅舎はデパートやスーパーを各店舗とするショッピングモールで構成され、ソウル駅と対照的に多くの買い物客で賑わっている。

ソウルの地下鉄は目先の需要で路線を増設してきたが、首都の玄関口であるソウル駅は長期的なビジョンを持たず、目先の需要で計画し建設する韓国の鉄道計画を如実に示している。(佐々木和義、韓国在住CFP)

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最終更新:6/13(火) 6:40
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