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大洗研被ばく、プルトニウム計測されず 作業員5人、内部線量低い可能性

6/13(火) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

大洗町成田町の日本原子力研究開発機構(原子力機構)大洗研究開発センターの作業員が被ばくした事故で、放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)の上部組織、量子科学技術研究開発機構は12日、5人から放射性物質のプルトニウムは計測できなかったと明らかにした。原子力機構は50代の男性作業員の肺から2万2千ベクレルを測定したとしていたが、皮膚に付いた放射性物質の影響が大きかったとの見方を示し、被ばく量は半分以下になる可能性もある。ただ別の放射性物質アメリシウムを検出したため、放医研は検査を続け、正確な被ばく線量を評価する方針。

放医研によると、同日までに3~4回肺の測定をした結果、5人全員から測定可能な下限値以上の数値は計測できなかったという。体格や筋肉量などで異なるものの、1万~5千ベクレルが下限値で、全員これらの値より内部被ばく線量が低い可能性が高いという。

放医研は7日、受け入れた5人を検査し、このうち4人の皮膚などに放射性物質が付着していたため除染していた。

量研機構の明石真言執行役は、2万2千ベクレルが検出された理由について「体表面に付いた放射性物質を測定した影響は高い」との見解を示した。その上で、「確定的なことは言えないが、鼻の中に汚染があったことや汚染された部屋に数時間滞在したことから、内部被ばくの可能性はあるだろう」と述べた。

一方、アメリシウムについては、測定下限値を上回る作業員がいたが、数値は減少傾向にあるという。明石執行役は、約1カ月かけて排せつ物の分析などを行い、正確な被ばく線量を評価する方針を示した。

放医研によると、今のところ5人とも急性障害などは見られないことなどから、検査を続けながら退院の時期を検討する。

原子力機構は、50代の作業員の肺から2万2千ベクレルの放射性物質が検出され、今後50年間の積算の推定被ばく線量を12シーベルトと説明していた。だが9日の会見で、放医研から受けた説明として「プルトニウムが計測されなかったと聞いている」と発表。理由として「体表面の除染が十分でなかった可能性がある」としていた。

(高岡健作)

茨城新聞社