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絶好調のキム・ハヌル 変わったのは“パッティング”と“下半身”【辻にぃ見聞】

6/13(火) 12:05配信

ゴルフ情報ALBA.Net

宮里藍の出場に沸いた「サントリーレディス」はキム・ハヌルの今季3勝目で幕を閉じた。ハヌルが「今がプロになって一番良いシーズン」とまで語るほど絶好調の理由を、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が要因を語った。

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■去年と変わったのはパターと下半身
伝統と格式のある4日間大会。辻村氏も「この大会はメジャーじゃないけどみんなが狙ってくる大会。それを獲ったハヌル選手はまた1つ自信を深めたと思います」と話す。これで獲得賞金は約7,850万円に到達した。「前半戦2試合を残してこの数字。大台一番乗りは間違いはないでしょうね」と賞金女王へひた走るスマイル・クイーンは去年とどこが変わったのか。辻村氏は2点挙げる。

「1つはパッティングが良くなったことです。去年はパターで負けていた試合が何試合かありました。ですが、今年は最後のパーパット(1.5m)を見ても高い精度にあると言えます。キャディの小谷健太さんも“3パットは去年の半分もしてないと思う”と話していました」。ハヌル本人も『パターの感覚が良くなってきたからスコアをまとめられるようになりました』と話している。具体的に言うと「リズムが変わった」と解説する。

「去年までは“パチン”とパンチが入る癖がありました。ですが、今は流れるように一定のリズムで打てています。それによりイメージした強さの球を出せるようになっていますね。球の転がりも良い。何よりもリズムが良くなり成績が出たことで、自信を付けています。だから痺れるパットでも動じずに、いつものリズムで打てているのです」

もう1つがショット時の下半身。「ここまで安定していたかな、というくらい今はしっかりしています。トレーニングに重きを置いていると聞いていますが、いい意味でショット時に下半身に緊張感がありますね。下半身に上体が付いてくる理想的なスイングができています」

■アマチュア必見!堀琴音は素振りの仕方でフックを克服
1打届かず2位となった堀琴音はまたしても初優勝を逃したが、ここ4試合でベスト5に3回入るなど調子を上げてきている。その理由はボールの散らばりが減ったことだと解説する。

「前半は特に左に巻き込む、フックする球が多かった。今はクラブがアンダーから入らなくなりミスが減っています」。その秘密が打つ直前の素振りにあると続ける。

「17番や18番のティショットを見ていただけると分かると思うのですが、堀さんは打つ前の素振りを構えてボールの手前側(ボールよりも体側)ではなく、奥側(ボールを挟んで向こう側)でやっています。こうすることで、インサイドに低く振り込めているのです。手前でやると知らず知らずのうちにしゃくり打ちになりがちです。いわゆる明治の大砲ですね。上から振り込みたいけど、下から煽ってクラブが入るアマチュアのみなさんは是非真似してみてください」

■堀琴音が強くなると思った、5年前の思い出
最後にサントリーレディスと堀琴音にまつわる話で面白い話をしてくれた。それは5年前にさかのぼる。

「2012年の大会はキム・ヒョージュが当時ツアー最年少で優勝した試合です。その試合で当時高校生だった堀さんは、ヒョージュに9ホールついてずっとプレーを見ていました。ヒョージュと堀さんは同学年。自分の肌で同級生のゴルフを感じていました。また堀の見ていた眼は学ぶ目だけでなく同学年に負けているという悔しい目がありました。そういうことが出来る選手。その時に“この子は良い選手になるなぁ”と思いましたね。超が付くほどの負けず嫌いですから。そんなことを今年の堀さんを見ながらふと思い出しました」

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子らを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

(撮影:村上航)<ゴルフ情報ALBA.Net>