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介護業界、シニア人材つなぎ留め 定年延長や再雇用緩和

6/13(火) 8:05配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 静岡県内の有効求人倍率(季節調整値)がバブル期に迫る1・51倍を記録する中、とりわけ人材確保が難しい介護業界で職員の定年を延長したり、再雇用の年齢制限を撤廃したりする動きが県内でも広まっている。超高齢化で働き手が不足する将来を見据え、スキルや経験豊富なシニア世代を活用し、人材をつなぎ留めようと必死だ。

 富士市で介護施設を展開する吉原介護センターは約6年前、定年を60歳から65歳に引き上げた。定年後も希望する職員は嘱託やパートで年齢制限なく働くことができる。60歳以上の正社員が2人、65歳以上のパート従業員15人が活躍している。長原良成社長(40)は「スキルや経験を持つベテランには、できるだけ長く働いてほしい」と話す。静岡市葵区の「まごころ介護サービス」でも、正社員の定年65歳制を採用している。

 静岡労働局がまとめた4月の業種別の有効求人倍率で、介護は3・71倍。全業種平均の1・51倍に比べ高い水準にある。介護労働安定センター(東京都)が実施した2015年度介護労働実態調査によると、3年以内の離職率は全国で37・2%と高い。「仕事内容のわりに賃金が低い」との回答が4割を超え、人材確保難の大きな要因となっている。シニア層の賃金は抑制しやすいため、県社会福祉人材センターの柿沢彰人材課長は「介護業界では、人材をつなぎ留めようと、定年制にこだわらない流れができつつある」と分析する。

 介護業界に詳しい白鷗大教育学部の川瀬善美教授(社会福祉)は「施設の利用者と世代が近いという点で、親近感と安心感を与える」とシニア世代の活用を歓迎する。一方で「職員の人材確保の解決策に決定打はない」として、離職を防ぐために、職員の満足度を高める取り組みや待遇改善の重要性を訴えた。

静岡新聞社