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<温暖化>熱中症避け労働時間短縮→損失、最大GDPの4%

6/13(火) 8:30配信

毎日新聞

 ◇国環研など試算

 効果的な地球温暖化対策を取らなかった場合、熱中症を避けるために労働時間を短縮せざるを得なくなることによる損失は、今世紀末に最大で世界全体の国内総生産(GDP)の4%に上るとの試算を、国立環境研究所(国環研、茨城県つくば市)などの研究チームが発表した。英専門誌に13日掲載された。一方、国際的な温暖化対策の枠組み「パリ協定」で掲げる目標の通り、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えることができれば、損失は0.5%以下で済むという。

 研究チームは気温などの将来予測に基づいて、熱中症の注意呼びかけなどに使われる「暑さ指数(WBGT)」の推計値を屋内、屋外に分けて試算。勤務時間を午前9時から午後5時までと仮定し、熱中症になるリスクを避けて働くことができる時間を推計。温暖化が進んで労働時間が短くなることによる経済的損失を比較した。その結果、今世紀末に20世紀末と比べて最大4.8度上昇した場合には、損失はGDPの2.6~4%に上った。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書によると、2度未満に抑えるための温室効果ガス削減の年間コストは今世紀末にGDPの約5%に上ると予想されるが、温暖化の負の影響は、労働環境以外にも気象災害の増加など多くの分野で懸念されている。チームの高倉潤也・国環研特別研究員は「損失の大きさを考えれば、パリ協定の目標達成に向けて対策を進めることは、世界全体の経済にとってメリットも大きい」と話す。【大場あい】

最終更新:6/13(火) 9:50
毎日新聞