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【MX-5カップジャパン 第3戦】レスポンス号 ロードスター、ド派手に大変身!ラッピング施工現場に密着

6/13(火) 12:15配信

レスポンス

6月18日、ツインリンクもてぎにおいて「グローバルMX-5カップジャパン」の第3戦が開催される。Team ”Be a Racing Driver”からレスポンスチームも出場することが決定した。ドライバーは松田秀士選手。今回フォーカスしたいのは、車両のデザインだ。

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グローバルMX-5カップは、アメリカで人気のワンメークレース。「ロードスター・パーティーレース」のステップアップカテゴリとして、日本でも今年から開催されるようになった。車両は、北米仕様の2.0リットルエンジンを搭載したマツダ『ロードスター』(MX-5)が利用される。イコールコンディションのワンメイクが徹底されており、車両は、レース事務局が指定したマニュファクチャラー(ロング・ロードレーシング)が制作し、エンジンも封印される。

ベース車両は、基本のデザインにオフィシャルスポンサーのステッカーやゼッケンなどが施工されているが、チームごとに追加のステッカーやカッティングシートでオリジナルのカラーリングを施しているのが通例だ。レスポンス編集部は、オリジナルデザインの車両を出場させるにあたって、カーラッピング技術に定評のあるYMG1(本社・墨田区)にお願いし、他にはない「超かっこいい」車に仕上げてもらった。

同社は、GTカーやD1車両といった競技車両だけでなく、高級輸入車、バス・トラック、さらには電車まで、幅広くラッピング施工を手掛けている。YMG1の桑子浩一 業務管理部長によれば、カーラッピング事業を始めたきっかけは、NHKの中継車だったという。「今から25年ほど前、当時は山家工業所という社名だったのですが、(NHKの)中継車のロゴを一斉に変えることになり、そこで我々がすべての車両を作業することになりました。それ以来、乗り物はもちろん小さいものではスマートフォンやPCにも対応しています」。

デザインは、アメリカのストリートレーサーで流行し始めているというカラフルなグラフィックスを用いた。ランダムな幾何学模様とグラデーションを生かしたパステルカラーの配色が特徴。特殊な3層フィルムを使い、表面のラミネート層にはラメも入っているので、淡い色合いながら螺鈿(らでん)のようにゴージャスに光る。これをボディほぼ全面(レギュレーションで決められたオフィシャルステッカー以外)に施工する。ベース車両の白地を残したカラーリングが目立つ中で、レスポンス号は、トレンドワードでいうところの「SNS映え」するカラーリングなのだ。

そもそもロードスターのような立体曲面を多用したボディのラッピングは、相当な技術を要する。用意されたラッピングシートは、幅130cmのものが35m。これをYMG1の「LAPPS職人」(LAPPSはYMG1が提供するラッピングブランド)が専用の道具を使いながら器用に貼っていく。通常この作業は、乗用車1台に対して4人がかりで2、3日かけているという。しかし、今回はレースが迫っていることと、曲面が多い難しい車両であることから6名の職人が一気に作業を行った。

作業は、全体をひっぱりシートを伸ばして施工箇所にあてがう。そして、ヒートガン(ドライヤー)でシートを収縮させながらうまく曲面に貼り付けていく。見ていると、職人たちが手際よく連携して作業がどんどん進んでいくが、柄の位置合わせ、エッジや細部の処理などかなりハイテクニックな技が必要なはずだ。

道具も専用のものが多いが、カッター、ヘラなどを使用していて、特殊なものはこれといってない。ラッピング用シート向けに作られてはいるが、カッターは普通の刃が折れるタイプを2本くらいで作業していた。変わった素材では「ナイフレステープ」というテープが活躍していた。ナイフレステープは、釣り糸のテグスのようなものが貼りついている幅の細いテープ。塗装のマスキングテープのように、シートを切り取りたいエッジや境界線に貼り付ける。その上からシートを貼り付けるが、テグスをひっぱるとガムやキャラメルの包装セロハンを切り取るリボンの要領で、ナイフレステープの形でシートが切り抜ける。エンブレムやドアノブ、ミラーの取り付け部分を切り抜くときに利用していた。

今回の作業は、レース前ということもあり、とにかく時間を最優先。そのため、ミラーやドアノブはそのままで作業を行った。ドア開口部の内側やタイヤハウスのエッジなども、シートを巻き込ませたりしなかった。また、オフィシャルステッカーが集中する、ドア下部の黒地部分もそのまま残している。ルーフもないクルマなので、最終的には1日で終わらせることができた。

桑子氏によれば、「ロードスターの場合、やはりフェンダー、前後のバンパーがとくに難しかった」そうだ。バンパーは、開口部が多く、巻き込ませる箇所が多い。金属加工でいえば「絞り」に相当する形で、しわや割れが起きやすい形状だが、横から見ると施工していないところが見えてしまうこともなく、塗装されたようにきれいに施工されていた。いや、塗装でもバンパーの開口部のように内側にえぐれた部分に模様や柄を描き込むのは難しい。塗装以上といっていいだろう。

なお、クルマ1台まるまる施工するとなると、全塗装より費用は高くつくが、表現力の広さ(痛車のようなキャラクターや絵柄の描き込みはラッピングの得意分野だ)、施工時間の短さ(全塗装は2週間前後)などメリットも少なくない。とくにLAPPSの場合、耐候性がありながら、再剥離が簡単かつきれいにできるのはうれしい。塗装や下地のステッカーなど傷つけずはがすことができる。新車をラッピングをして、違うカラーリングを楽しみながら、ボディ保護にもなる。

さて、今回施工してもらったマシンを改めて見てみると、遠目にも彩りがたのしいポップなクルマに仕上がっている。カラフルな模様は、近くでみてもテンションを上げてくれる。いまから、サーキットで走る姿が楽しみなクルマだ。コース上でもひときわ目立つはずなので、読者のみなさんも、レースで見かけたらぜひ応援してほしい。

協力:YMG1(ラッピング)

《レスポンス 中尾真二》

最終更新:6/13(火) 12:15
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