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銀行カードローン残高が急増5.6兆円に、量的緩和策が状況を後押し?

6/14(水) 8:30配信

THE PAGE

 銀行のカードローン残高が急激に増えています。消費者金融業者は法改正によって年収の3分の1までしか貸せないルールになっていますが、カードローンはその対象になっていないことが原因です。一部からは、消費者金融を厳しく規制した意味がないとの声も出ているようです。

カードローンの残高は5.6兆円

 銀行によるカードローンの残高は2017年3月末時点で5.6兆円に達しています。2010年には3.2兆円程度でしたから、7年で1.8倍近くに増えた計算になります。一方、消費者金融のローン残高は2010年と比べて半減、ここ2~3年は2.5兆円程度で推移しています。その理由は同じローンでも規制のかかり方が違っているからです。

 消費者金融は以前、過剰な取り立てなどが社会問題となり、2006年に改正貸金業法が施行され、2010年からは年収の3分の1を超える借り入れができなくなりました。この規制は相当に厳しいもので、最大手の武富士は倒産し、その他の消費者金融の多くは銀行に吸収されていきました。

 これで過剰な借り入れはなくなるかと思われましたが、実際はそうではありませんでした。

 実は、この規制には銀行のカードローンは含まれておらず、法改正後も銀行は自由にお金を貸すことができたからです。確かに消費者金融業界の過剰な貸し付けや取り立ては大きな問題でしたが、それでもお金を借りたいという切実な事情がある債務者が存在しているのも事実です。

量的緩和策が状況を後押し?

 こうした人たちをどう救済するのかという手立てを考えずに、消費者金融業界だけを縮小しても、お金を借りたいというニーズがなくなるわけではありません。こうした債務者はカードローンに集中し、一部はヤミ金(違法な金融事業者)に流れていったといわれています。

 皮肉にも、日銀による量的緩和策がこのような状況を後押ししています。量的緩和策の施行によって金利が下がり、銀行の利ざや(貸出金利と預金金利の差)は1%程度まで低下しています。銀行は何とか利益を出そうとカードローンに注力し、その結果、残高が増えていったわけです。

 過剰に融資をすれば、自己破産者が増えるのは自明の理です。これまで自己破産の件数は減少が続いていましたが、2016年は13年ぶりに増加に転じました。このまま融資が増加した場合には、新たな社会問題となる可能性があります。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/19(月) 6:07
THE PAGE

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