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評価高まる“役者”林家正蔵 山田洋次監督もほれ込む情けない“いい味”

6/13(火) 16:56配信

夕刊フジ

 息子の不祥事に見舞われている俳優の橋爪功と、姉のお騒がせに見舞われている落語家の林家正蔵(54)がそろって出演する映画「家族はつらいよ2」(山田洋次監督)。現在も上映中の同名映画シリーズの第2弾だ。

 公開前のイベントで正蔵は、親子3代で暮らす自身に合わせ「毎日が戦です」と嘆き、嫁姑のやり取りに「生きた心地がしません」とジョーク交じりにPRしていた。

 その正蔵だが、俳優としてのポジションに評価が高まっている。映画サイト記者が明かす。

 「正蔵の持つ、独特のおかしみと切なさ。それを出せる俳優がなかなか見当たらないんです。山田監督も、そのあたりがお気に入りの要素で、『東京家族』でも『家族は~』の前作でもキャスティングしています」

 そればかりではない。

 85歳になった今も、舞台の監修や脚本や演出に意欲的な山田監督は今年3月、人気デュオ、タッキー&翼の今井翼(35)を主演にした音楽劇「マリウス」でも正蔵をキャスティングした。

 「主役は今井ですが、それよりもいいポジションではと思われるほど、正蔵は“おいしい”役でした。金持ちでいけ好かない商人の役ですが、どこか哀愁があるというか、憎めないというか、そういう役です」(演劇ライター)

 落語家という仕事柄、普段から人物を描き分けることを、当たり前のように続けている。

 「最近では、嵐の大野智が主演する7月1日公開の映画『忍びの国』の立川談春がいい感じ。TBSのドラマに重用されて、『忍び~』もTBSムービー。TBSが談春に映画賞の助演男優賞を取らせるために作ったような、そんなキャスティングですよ」(演芸評論家)

 正蔵の演技は正直つたない。同時に作為がない。そのあたりに山田監督がほれ込んでいる。「裏を返せば」と前出・演芸評論家が続ける。

 「森繁久彌や伴淳三郎、由利徹、渥美清といった喜劇役者がいなくなったということです。若手で言えば、お笑いコンビ、ドランクドラゴンの塚地武雅なんかはいいですね。どことなく切なさがあるんです。その切なさって、正蔵にもあります。情けないっていうか。いい味ですよ」

 強烈な姉たちを見て育ったゆえの切なさか。その理由は明確に分析できないが、いい味付けになってきた正蔵である。

最終更新:6/13(火) 16:56
夕刊フジ