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海鋒さんの功績が道徳教科書に 音楽教育に光

6/18(日) 8:30配信

河北新報

 「春のあしおと」「仲よしの歌」「おくれ雁(がり)」など子どもの歌や校歌を多く残した山形県天童市出身の作曲家海鋒義美(かいほこよしみ)さん(1905~97年)が、教育出版(東京)の2018年度版小学4年生向けの道徳教科書に載った。500曲以上を作曲し、戦後荒廃した世の中を明るくしようと音楽教育に情熱を傾けた業績が紹介されている。

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 海鋒さんは東京音楽学校(現東京芸大)卒業後、東北各地で音楽の指導に当たった。1946~64年に放送されたNHK仙台中央放送局(現仙台放送局)のラジオ番組「東北うたの本」で、児童合唱団が歌う曲を作った。

 どの歌も歌詞に東北の自然や子どもの遊びなどが織り込まれ、歌いやすいメロディーが特徴だ。

 「春のあしおと」は教育者の故富田博さんが仙台近郊の風景を描き、海鋒さんが古里を思い浮かべながら作曲したという。小学校音楽の教科書に長年掲載され、今も多くの世代に歌い継がれている。

 東北各地の校歌や社歌、市民・町民歌も300曲以上手掛け、詩人土井晩翠(1871~1952年)との二人三脚で生まれた作品もある。51年度の第1回河北文化賞を受賞した。

 教科書は2ページにわたって功績や歌詞を紹介。海鋒さんと親交があり、文章を寄せた元中学校長千田彰武さん(75)=仙台市青葉区=は「先生の歌を通じて、子どもたちに自然や他者を大切にする豊かな心を育んでほしい」と願う。

 東日本大震災の復興支援のため昨年開かれた「『東北うたの本』を歌う会」の実行委員長を務めた海鋒さんの長男博美さん(82)=青葉区=は「戦後の食べ物や着る物がなかった頃、歌の力は特別だった」と指摘。「教科書に掲載されたことは当時や父の歌を思い返す良いきっかけになる」と喜ぶ。

最終更新:6/18(日) 8:30
河北新報