ここから本文です

パッケージング産業の再編成(前編)

6/13(火) 18:40配信

EE Times Japan

 パッケージング産業の再編成が進んでいる。パッケージング産業とは、半導体製造工程における「後工程」、すなわちパッケージの組み立て工程に関連する産業を指す。

 後工程は主に、2種類の企業が担っている。1つは、垂直統合型半導体メーカー(IDM:Integrated Device Manufacturer)である。IDMは前工程(ウエハー処理工程)と後工程(パッケージ組み立て工程)の両方の工場(生産ライン)を有する。もう1つは、パッケージ組み立て請負サービス企業である。「OSAT(Out Source Assembly and Test)」企業、あるいは「SATS(Semiconductor Assembly and Test Service)」企業とも呼ばれる。独自のパッケージング技術を有しており、後工程を持たない半導体企業はもちろんのこと、特殊なパッケージを必要とするIDMからの要望にも応える。

 パッケージング産業では最近、主に3つの動きが進んでいる。1つは、IDMからSATSへの後工程の売却、譲渡である。これは従来からあった動きだが、日本の半導体メーカーで近年、活発になっていた。もう1つは、SATS同士の企業買収、あるいは事業統合である。3番目は、前工程の請負サービス企業(シリコンファウンドリー企業)による、パッケージ組み立てサービスへの参入である。

●日系IDMは「ファブライト」を合言葉に後工程を切り離す

 始めに、IDMからSATSへの後工程の売却・譲渡について少し説明しよう。日系のIDM(垂直統合型半導体メーカー)では、2010年代前半に「ファブライト(製造部門の軽量化)」と呼ばれる動きが一斉に起こった。これまでは国内あるいは海外の子会社で後工程を賄っていたのだが、固定資産を軽くして小回りの効く経営を目指し、後工程をSATSに売却、譲渡する動きが活発化した。

 例えば富士通セミコンダクターは2012年8月に、後工程子会社の3つの工場を日本最大のSATS企業であるジェイデバイスに譲渡することで合意した。2012年12月には譲渡が実行された。

 そしてルネサス エレクトロニクスも2013年1月に、後工程子会社の3つの工場をこれもジェイデバイスに譲渡することで合意した。2013年6月には譲渡が完了した。さらにルネサスは、2014年3月にシンガポールの後工程子会社の製造設備をジェイデバイスに譲渡することで合意した。

 なおジェイデバイスは、1970年に大分県佐伯市で創業した仲谷電子製作所が始まりである。2009年に東芝の後工程工場を譲受するとともに東芝と米国のSATS大手Amkor Technologyの出資を受け入れて合弁事業会社となり、社名をジェイデバイスに変更した。パッケージ組み立てとテスト、不良解析を手がけている。なお2016年1月に、ジェイデバイスはAmkorの完全子会社となったことが発表された(参考記事)。

●一段落した日系半導体企業の後工程切り離し

 2009年に国内の後工程子会社(東芝LSIパッケージソリューション)の事業をジェイデバイスに譲渡した東芝は、2011~2013年には海外の後工程子会社を相次いで譲渡することで合意した。2013年5月には中国の後工程子会社を台湾のSATS大手ASE(Advanced Semiconductor Engineering)の中国子会社に売却することで合意したと発表した。また同年7月には、マレーシアの後工程子会社の全株式をAmkorに譲渡したと公表した。

 2015年以降は、日系IDMが後工程をSATS企業に売却、譲渡する動きは一段落したように見える。代わって目立ち始めたのが、SATS企業群の再編成である。

 この動きについては後編で説明しよう。

(後編に続く)

最終更新:6/13(火) 18:40
EE Times Japan

Yahoo!ニュースからのお知らせ