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EU離脱、せめぎ合い激化=穏健派が圧力―英与党

6/13(火) 14:35配信

時事通信

 【ロンドン時事】8日の英下院総選挙でメイ首相率いる与党・保守党が過半数を割り込んだことで、欧州連合(EU)離脱をめぐる党内のせめぎ合いが激化している。

 経済優先の「ソフト・ブレグジット(穏健な離脱)」派が声を上げ始め、移民規制重視の「ハード・ブレグジット(強硬な離脱)」派は徹底抗戦の構えだ。EUとの本格的な離脱交渉が間近に迫る英国だが、その将来像はいまだ揺れ動いている。

 「首相が穏健な離脱(への転換)のシグナルを発している」。12日付の英紙タイムズは、元EU残留派のグリーン前雇用・年金相が選挙後の組閣人事で実質的な副首相ポストに起用されたことを受け、こう報じた。

 首相は1月、EUの単一市場と関税同盟から脱退する強硬路線を表明。選挙戦では「(EUと)下手な合意をするより、決裂の方がましだ」と強気を通したが、議席を減らし、事実上敗北した。保守党の穏健派は「国民が強硬な離脱を拒否した」と気炎を上げる。

 英北部スコットランドの選挙区では、「単一市場への残留」を訴える穏健派の保守党候補が次々と当選を果たし、下院第1党の座の維持に貢献した。選挙前までほぼ沈黙していた穏健派が発言力を強め、強硬派に圧力をかけていくのは必至だ。

 ただ、首相が穏健派に軸足を移せば、党内の強硬派から「メイ降ろし」ののろしが上がるのは避けられそうにない。そうなれば、選挙で求心力を失った首相はひとたまりもなく、安易に身動きを取れない状況だ。

 強硬派の代表格ジョンソン外相は、首相続投への全面的な支援を約束する一方で、EU離脱に「逆戻りはあり得ない」とくぎを刺し、穏健派をけん制。デービスEU離脱担当相も12日のテレビで「EU離脱により国境管理の権限を手に入れ、単一市場から脱退する」と明言し、強硬路線の変更は許されないと訴えた。 

最終更新:6/13(火) 16:52
時事通信