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<エスカレーター>「片側空け」見直し 理学療法士呼びかけ

6/13(火) 22:40配信

毎日新聞

 ◇障害者「ベルト大切な支え」 2020年歩く人ゼロに

 歩く人のためにエスカレーターの片側を空ける習慣を見直してもらおうと、東京都理学療法士協会が18日、都内の鉄道駅でPR活動をする。「片側空け」は、事故防止や混雑緩和などの観点から鉄道会社や業界団体が自粛を呼び掛けているが、同会が強調するのは「体が不自由で、歩く側の手すりベルトにつかまりたい」という患者や障害者の存在。2020年東京五輪・パラリンピックまでに「歩く人ゼロ」を目指すという。【堀井恵里子】

 脊髄(せきずい)の病気で両手につえを持つ埼玉県和光市の会社員の女性(46)は毎日、通勤で都営大江戸線の赤羽橋(あかばねばし)駅を使う。一番緊張するのが地上までに2カ所あるエスカレーター。階段にして約100段、4~5階に相当する長さがある。エレベーターは向かう方と逆の位置にあり、長い距離を歩かねばならない。

 右手の方が自由が利くので、できれば右のベルトにつかまりたい。しかし、首都圏の暗黙のルールは「止まって乗る人は左側」。これに従って、乗り降りの訓練時から左のベルトを使うようにしてきた。荷物がぶつかってヒヤリとしたり、右手のつえが蹴飛ばされないかと気をもんだりして「右に乗った方が安心できる」という。

 支援に乗り出したのが、リハビリの専門職らが集まる都理学療法士協会。18日に学術大会が開かれるのに合わせ、会場に最寄りの練馬駅(西武線、大江戸線)周辺で、エスカレーターの歩行禁止を呼び掛けるチラシ配布やシール投票をする。スタッフがエスカレーターで右側に止まって乗り、一般の乗客に「右側歩き」を考え直してもらう実演も予定している。交通事故や脳卒中の後遺症などでも、こうした片半身の障害が残りやすいという。

 昇降機メーカーで作る「日本エレベーター協会」によると、2013~14年にエスカレーターの事故は1475件起き、うち7割が転倒。年齢では60歳以上が約6割を占める。同協会の16年度の利用者アンケートでは、57%が「エスカレーターで人やかばんとぶつかり、危険を感じたことがある」としつつ、84%は「自分も歩いてしまうことがある」と答えていた。

 公益財団法人「交通エコロジー・モビリティ財団」でバリアフリーを担当する松原淳・企画調査課長は「子どもや視覚障害者は、介添え者が横に立った方がいいケースもある。片側を歩くのは転倒事故にもつながり、問題点が多い」と指摘する。

最終更新:6/14(水) 1:32
毎日新聞

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