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<国連>立法ガイド執筆者「テロ防止、条約の目的に含まず」

6/13(火) 22:47配信

毎日新聞

 ◇TOC条約 パッサス・米ノースイースタン大教授

 【ロサンゼルス長野宏美】国際組織犯罪防止条約(TOC条約)締結に不可欠と政府が位置づけ、テロ対策と強調する「共謀罪」法案(組織犯罪処罰法改正案)を巡り、国内法整備の指針となる国連の「立法ガイド」を執筆した米ノースイースタン大のニコス・パッサス教授(58)は12日、毎日新聞の電話取材に応じた。「条約はイデオロギー的、宗教的、政治的な動機からくる犯罪を除外している」と語り、テロ防止は条約の目的に含まないことを強調した。

 パッサス氏は条約について「金銭的、物理的利益が目的の国際的犯罪集団に対し、各国が協力して戦うため立案された」と指摘。「テロは利益目的ではなくイデオロギーに由来している」と述べた上で、「テロが何かを正確に定義する全体的な合意ができていない」と条約からテロを除外した理由を説明した。

 条約は2001年の米同時多発テロ前に起草され、その後、世界情勢が変化したが、パッサス氏は「他に多くのテロ関連の条約や国連安保理決議がある」として、目的がテロ防止にまで拡大されなかった背景を語った。

 条約締結を巡り、政府与党は共謀罪法案が必要だとし、不要だとする野党と対立。パッサス氏は条約参加の条件として、利益目的での「組織的犯罪集団への参加」か「組織的犯罪集団の重大な犯罪行為への合意」のどちらかを罰する法律が必要だとした。一方、日本の法律を把握しておらず、現行法で対応できるかは答えられないとした。また「当局の権力乱用でプライバシー侵害が起きた事例が多くある」と語り、捜査の権限強化に対する明確な基準や監督する仕組みが重要だと助言した。

最終更新:6/13(火) 22:47
毎日新聞