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<福知山線脱線>歴代3社長無罪へ 強制起訴の半数が無罪

6/13(火) 23:08配信

毎日新聞

 2005年に兵庫県尼崎市で起きたJR福知山線脱線事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴されたJR西日本の歴代3社長の上告審で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は12日付で、検察官役の指定弁護士の上告を棄却する決定を出した。3人を無罪とした1、2審判決が確定する。無罪が確定する3人は、井手正敬元会長(82)▽南谷昌二郎元会長(75)▽垣内剛元社長(73)。神戸地検は3人を2度、容疑不十分で不起訴にしたが、検察審査会の議決を経て10年4月、指定弁護士が強制起訴した。

 最高裁によると、強制起訴された事件・事故は09年5月の制度開始以降9件。今回で無罪(一部無罪含む)確定が4件目となった一方、有罪確定は2件にとどまる。

 無罪が確定したケースのうち、小沢一郎衆院議員が政治資金規正法違反に問われた「陸山会事件」では、検察審査会が起訴議決で「(検察審査会制度は)公正な刑事裁判の法廷で黒白をつけようとする制度」と言及した。1審は12年に無罪とし、2審もこれを支持。検察官役の弁護士が上訴権を放棄したため、小沢氏の無罪が同年に確定した。

 14年には、未公開株詐欺事件で会社社長の一部無罪が確定。16年にも、教え子への暴行事件でゴルフ指導者の無罪が確定した。

 また、漁船衝突事件では、強制起訴された中国人船長に起訴状が送達できず、那覇地裁が12年に公訴棄却を決定。初めて同制度が適用された兵庫県明石市の歩道橋事故では、元明石署副署長の公訴時効成立を認めた免訴判決が16年に確定した。

 無罪確定が相次ぐ中、今月30日には、福島第1原発事故で業務上過失致死傷罪に問われた東京電力元幹部3人の公判が東京地裁で始まる。この公判の結論次第で、強制起訴制度の存廃などを巡る議論が再燃する可能性がある。【伊藤直孝】

最終更新:6/13(火) 23:38
毎日新聞