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葛尾避難解除1年 生活環境整備進む 村民1割帰還

6/13(火) 10:07配信

福島民報

 東京電力福島第一原発事故に伴う福島県葛尾村の居住制限、避難指示解除準備両区域が解除され、12日で1年を迎えた。今月1日現在、解除区域の人口1,304人(417世帯)のうち、147人(74世帯)が自宅に戻った。基幹産業である農業を再開する動きが出る一方、再び営業を始める商店もあり、生活環境は徐々に整いつつある。

 住民の帰還率は11.2%で、村は民家の改修や新築が進めば古里に戻る村民はさらに増えるとみている。 
 村内では17戸が稲作や畜産・酪農を再開した。村は今年度、郡山市の郡山女子大と連携し、特産のエゴマ(じゅうねん)の栽培を再開する。学校側などの呼び掛けで栽培する村民を募った結果、7組が集まった。今年の生産見込み量は約680キロで、東日本大震災前の2倍以上になるという。学生が考案したアイスやプリンなど6次化商品の販売も計画している。 
 一方、7月には石井食堂と食料品などを販売するヤマサ商店が村内で営業を始める。既に再開しているマルイチ商店の松本美喜子さん(64)は「次々に店が開き、村で生活する人が増えてくれればうれしい」と期待する。 
 新たな企業進出も決まった。愛知県岡崎市のニット製品製造・販売「金泉ニット」は今年度内にも村内で操業を開始する予定だ。将来的に40人の雇用を見込んでいる。 
 一方、課題も残る。診療所の内科が再開しておらず、田村市や三春町など村外の医療機関で診療を受ける必要がある。放射線量に不安を抱き、帰村をためらう若い世帯もあるという。篠木弘村長は「一つ一つ課題を解決していくことが復興につながる。交流人口の増加や移住者の受け入れを進めたい」と話している。 

福島民報社

最終更新:6/13(火) 10:37
福島民報