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琢磨、インディ500は「最終ラップの最終コーナーで加速を得られたときは勝つことを実感できた」

6/13(火) 14:05配信

サンケイスポーツ

 米国伝統の自動車レース、インディアナポリス500マイル(インディ500)で初優勝を果たした佐藤琢磨(40)=アンドレッティ・ホンダ=が13日、東京都内で会見した。

 まばゆいフラッシュを浴びた。シリーズの合間を縫って、12日に一時帰国した琢磨は、疲れを感じさえない笑顔で、歴史的偉業を報告した。

 「本当にやりました。うれしいです。幸せに感じます。僕自身にとって大きな意味を持つ。この喜びを分かち合いたい。感謝の気持ちでいっぱい」。

 2001年に日本選手初の英国F3王者に輝き2002年にジョーダン・ホンダでF1デビュー。BARホンダ、スーパーアグリ・ホンダを含め90戦出場し、04年米国GPでは日本勢最高タイの3位に入った。浮き沈みの激しかったF1時代を「すばらしい経験だった」と振り返った。

 10年からインディへ転身し、ことしで8回目のインディ挑戦だった。12年のレースでは最終周まで優勝争いを演じながら、追い抜きにいった第1コーナーでクラッシュした。「自分自身の至らないところもあり、勝つことの難しさを痛感した。あと2・2マイルぐらいだった」と冷静に分析した。

 今回は残り6周で2位に進み、次の周でインディ500で3勝のエリオ・カストロネベス(42)=ブラジル、ペンスキ・シボレー=を捉えトップに立った。「ラスト5周、トップに出てからいろんなことを考えた。僕には勝算があった。頭の中がフル回転した。どのラインを使えば、ディフェンドできるかシミュレートしていた。予選のような走りだった。絶対にリアは滑らせない。風向きを考えながら、一生懸命走った。何とか逃げ切ることができた」と史上6番目の僅差となる0秒2011差での逃げ切りに胸を張った。

 F1のモナコGP、ルマン24時間を含む世界三大レースの一つで、参戦8年目でついに悲願を達成。優勝者の恒例となっている牛乳を飲み、頭から浴びて喜びを爆発させた。「最終ラップの最終コーナーで加速を得られたときは勝つことを実感できた。すぐに無線でみんなに『ありがとう』といいたかったけど、言葉にならなかった。ウイナーズサークルにいったときの、みんなの笑顔は忘れられない。牛乳は最高の味だった」と感慨に浸った。

 賞金として245万8129ドル(約2億7280万円)を獲得した。「1つのステータスになっている。信じられないような金額を稼ぐことは楽しい。子供たちの夢につながる。僕もハングリーになっていた。レースは厳しい世界。僕も稼がなきゃいけない。勝った結果として大きな賞金を得ることができた。契約で決まっていて、すべて僕のものになるわけではない」と強調し、賞金の一部をチームスタッフに還元する考えを示した。

 10歳の1987年に初めてF1日本グランプリ(鈴鹿)を生観戦。2位になったアイルトン・セナ(ブラジル、故人)に魅せられた。早大入学後にレースを始めた遅咲きのベテランは、「奮い立たせるのはモチベーション。日本から海外に出てトップに立ちたい気持ちが強い。イチロー選手など世界で活躍するアスリートに影響を受けた。この勝利をみなさんと分かち合って、ホンダの一員としてここまでこれたことを誇りに思う」と日本のモータースポーツ史に新たな金字塔を打ち立てても、衰えない闘志をみせつけた。

 今季のインディカー・シリーズでは第9戦を終えて総合王者争いで3位につけている。「非常に厳しいと思っているが、選手権タイトルを大きな目標にしたい」と年間王者として再び、母国に凱旋することを誓った。