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サッカーACLの暴力問題 韓国メディアは二極分化 「国際的に恥さらし」「挑発行為があった」

6/14(水) 9:00配信

産経新聞

 5月31日に埼玉スタジアムで行われたサッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦第2戦の浦和-済州(韓国)で、済州の選手が浦和の選手を肘打ちし退場になるなどの乱闘事件をめぐり、韓国メディアの報道は二極分化した。海外メディアに取り上げられ「国際的恥さらし」と殊勝に報じたメディアがある一方で、浦和側にも非があると自らの正当性を主張した上で「極右サポーターで名高い」などと浦和を誹謗中傷した保守系メディアがあった。欧州メディアは暴力を「反スポーツ的行為」とし決して許される行為ではないと主張し厳罰を求めた。アジア・サッカー連盟(AFC)は済州3選手らを処分。最大6カ月の出場停止処分と罰金の厳罰を科した。

 済州との第1戦を0-2で落とした浦和が第2戦で勝利を目指すのは当たり前の行為だ。ボールを徹底的に保持し、相手に反撃させない守備をし、延長戦の末に3-0で勝利。第1、2戦の合計で3-2とし、8強進出を決めた。勝敗はスポーツの常。ルールの下、互いに死闘を繰り広げるものだ。

 ただし、ルールを逸脱する行為に制裁は当然だ。延長戦終了間際、済州の控え選手、ペク・トンギュがピッチを横断する形で駆け寄り、浦和選手に肘打ちを食らわした。当然レッドカードが提示された。試合終了後も済州選手が浦和選手を追いかけ回すなどし、ピッチは大混乱した。

 スポーツ韓国は欧州メディアもこの事態を報じたとして、イタリアのサッカーメディアの報道を紹介した。それによると、「済州の姿は明らかに反スポーツ的行為であった」とし、試合終了後も選手だけでなくコーチまでピッチに入って浦和の勝利セレモニーを妨害したと伝えた。さらに「暴力的な行為はどんな場合でも理解できる部分がない」と批判、「AFCが正しく対処することが必要だ」と伝えた。

 中央日報は「海外メディアにまで(乱闘事件が)紹介され、恥をかいている」と報道。FOXスポーツ・アジアが「ACLを揺るがしたみにくい騒ぎ」と伝え「試合の主催側(AFC)は乱闘騒ぎに介入した全ての人々に対して適切な措置を取らなければならないだろう」と厳正な処分を求めた。

 中央日報はACLで出場した韓国勢4チームが全て敗退し、8強進出がないのは今回が初めてとも報道。もはやアジア盟主ではなく、この認識から早く抜け出さないと再起の可能性はないと危機感をあおった。そして、各クラブがユース育成システムへの投資を拡大し、長期的な視野でチーム運営する必要があると論評した。

 事態を冷静に捉え、改善点を見据える報道がある一方で、朝鮮日報は乱闘騒ぎには浦和の選手の挑発行為が理由だと主張。「相手チームは『極右サポーター』で悪名高い」と試合に関係ない部分にまで言及して批判した。

 韓国のネットユーザーは浦和選手にマナー違反があったとし、「卑怯」などとした。その一方で「済州を擁護したいが、暴力は絶対に許されない」などと正当な見方をする書き込みもあった。

 ACLは6月9日、試合中に退場となりながら乱闘に加わったチョ・ヨンヒョンを6カ月の出場停止と罰金2万ドル(約220万円)、ペク・トンギュに3カ月の出場停止と罰金1万5000ドルを科した。競技イメージを損ねたとして済州に4万ドル、浦和に2万ドルの罰金を科した。

 処分が出る一方、ペク・トンギュが浦和のクラブ事務所を直接訪れて謝罪したい意向だと韓国メディアが報じた。済州の監督が6月6日に明らかにしたものだが、朝鮮日報によると、危害を加えたことを謝罪し和解したいようだ。だが、朝鮮日報はこの事案を「浦和乱闘事件」と呼称し、「済州の選手団としては一方的に加害者と見られて悔しい気持ちがあるのは確か」と恨みを募らせ、真相究明を進めていると伝える。そんな中でペク・トンギュの謝罪は「『あまりにも低姿勢すぎる』と考えられる恐れがある」と報じていた。

最終更新:6/14(水) 9:00
産経新聞