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一人の加害者の陰には380人の被害者が  性犯罪は防げるのか

6/13(火) 6:02配信

BuzzFeed Japan

フリージャーナリスト詩織さんのレイプ告白、千葉県の女児強制わいせつ致死事件、痴漢を疑われた男性の相次ぐ線路逃走。性犯罪の厳罰化などを盛り込んだ刑法改正案が衆議院を通過したが、一人の性犯罪加害者の陰には平均380人の被害者がいるとも言われている。

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再犯を防ぐことは可能なのか。BuzzFeed Newsは、10年以上前から日本で先駆けて性犯罪再犯防止プログラムを行なっている都内の精神科クリニックを取材した。【岩永直子 / BuzzFeed Japan】

スーツ姿のビジネスマンが目立つ参加者たち

サラリーマンが家路を急ぐ頃、「榎本クリニック」の会議室に、十数人の男性が三々五々、集まってきた。スーツやワイシャツにビジネスバッグ姿の人も多く、年齢も若者から高齢者まで様々だ。

街ですれ違っても見た目では気づかないだろうが、それぞれ強姦、強制わいせつ、痴漢、盗撮など何らかの性犯罪で捕まった過去がある。これ以上繰り返さないために、週3回行われているプログラムに通い続けている。

プログラムの柱は、自分を犯行に促す状況や悪循環、問題行動の引き金を洗い出し、それを抑えるための具体的な対処法を書き込む再犯防止計画、通称「リスクマネジメントプラン」の作成だ。

参加者はこれを紙やスマートフォンの待ち受け画像などの形にして持ち歩き、再び陥りそうな”落とし穴”を意識して生活する。プログラムに通う中でその計画が守られているかを常に振り返り、効果のある対処法は残し、ないものは省く見直しを習慣とする。こうした作業を通じて再び犯罪に手を染めないようにするのだ。

後述するが、その他の多彩なプログラムも、この計画を実効性のあるものにするために組み立てられている。

この日は、参加者の一人が新たに作成した計画書を発表し、これまでの生活を振り返りながら、グループで意見交換するセッションだった。

プログラムディレクターである斉藤章佳さん(精神保健福祉士、社会福祉士)の指導で、最初にペアになって自己紹介し、互いの実名を呼び合いながら肩をもみ合う。顔見知りになっている人もいるようだ。場がほぐれ自身の問題を語りやすい空気が生まれたところで、この日はスーツ姿のビジネスマンが前に出てきた。

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最終更新:6/13(火) 6:02
BuzzFeed Japan