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ピーター・ティールがトランプ支持の本当の意味ーテクノロジーが政治を飲み込み始めた

6/13(火) 7:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

オーケー、ついにピーター・ティールについて僕も担当編集者として総括しなければならない時がやってきたようだ。つまり、トランプを支持したティールをどう受け止めればいいのかについて──。

【画像】ティールはシリコンバレーの経営者と政権を橋渡しする役割を担っている。

彼の著書『ゼロ・トゥ・ワン』(NHK出版)の邦訳刊行直前の2014年夏、実は編集部からオファーしていたメディアインタビュー依頼に、ティール側が「1本だけ受ける」と言ってくれたことがあった。ただ、本もまだ出ていなかったその当時、日本の大手メディア(「最も影響力のある媒体で」という注文付きだった)で彼のことを知る人はほとんどなく、結局実現しなかった。それほど日本では“カルト的”存在だったティールが、翌2月には来日ツアーを果たし、春には『ゼロ・トゥ・ワン』がその年のビジネス書大賞を授賞すると、「シリコンバレー最重要人物」「スタートアップ界のレジェンド」として日本のメディア/テック/ビジネス界で一躍注目されるようになった。そう、今からちょうど1年ほど前、彼が「トランプ支持」を打ち出すまでは……。

「エスタブリッシュメントからはゼロイチは生まれない」

ティールがリバタリアンであることは有名だけれど、そもそも日本では政治的な対立軸としてのリベラル(民主党)とリバタリアン(共和党右派)はあまり理解も意識もされていない。ただ、メディア企業が圧倒的なリベラルの牙城であることは日本もアメリカも変わらない。だから、これまでさんざんティールを持ち上げていた論調は、トランプが予備選に勝ったころから日本でもピタリと止まった。

かくいう僕もその1人だ。邦訳刊行直後に、僕はあるメディアで「エスタブリッシュメントからは、ゼロイチは生まれない」というお題で『ゼロ・トゥ・ワン』の紹介記事を書いていた。大統領選が民主vs共和ではなくエスタブリッシュメントvs非エスタブリッシュメントの様相をいよいよ見せ始めるにつれ、僕の困惑もますます深まっていった。でも正直に言えば、「どうせ本戦でトランプが負けるまでの話」だとも思っていた。

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