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トヨタ、ル・マン24時間レースの公開車検に臨む。今年の敵は”暑さ”?

6/13(火) 8:33配信

motorsport.com 日本版

 6月11~12日の2日間、週末のル・マン24時間レースに向けて恒例の公開車検が行われた。場所はル・マン市内の中心部にあるリパブリック広場。1日目の11日(日)にはポルシェチームが、2日目の12日(月)にはTOYOTA GAZOO Racingが登場、多くの一般客の見守る中、車検を済ませて記念撮影に臨んだ。

【ギャラリー】ル・マン24時間レース公開車検の模様

 実はこの車検、一般客に向けて参加車・者の紹介を兼ねるイベント。実際の詳細な車検は13日・火曜日にサルテ・サーキットで行われる。

 ところで、第85回を数える今年のル・マン24時間レースが行われる今週末の天気予報はいずれの日も好天。車検日の両日も晴天・高温で、集まった関係者や観客達は日陰で冷たい飲み物で喉を潤していた。

 今年のル・マンにはTOYOTA GAZOO Racingは、2012年に現在のWECが始まって以来初めてTS050 HYBRIDを3台持ち込んだ。これまでは2台体制で挑んできたが、最高位は2位(2016年)。その雪辱を果たすべく、今年は考えられる最高の体制を敷いての挑戦になった。3台のTS050 HYBRIDが揃うと、さすがに迫力がある。これまでの2台体制と比べるとなおさらの感がある。勝利を渇望する気持ちが伝わってくる。

 2017年型TS050 HYBRIDはレギュレーションの変更を受けてデザインが変わっているが、突き詰めた空力デザインは以前のモデルと比べてより精悍な面構えになった。外観で目立つ変更点は大型になったヘッドライト、フロントノーズの形状など。ドラッグを抑えつつダウンフォースを増やすという困難な仕事を空力担当は見事にやってのけた。

 しかし、ご存じのようにル・マンは長い直線区間が多いサーキット。ここでは最高速が重要で、TS050 HYBRIDもダウンフォースを削った仕様で挑む。1週間前に行われた合同テストでは、予選仕様の空力セットアップで走った小林可夢偉がベストタイムを記録している。

 ただ、レースになると不確定要素が幾つもあり、チームは万全の準備を整えながらも、一抹の不安は隠せない。例えばそれは、気温が高くなったときのハイブリッド・システム、バッテリー等の高温化の心配だ。

 TS050 HYBRIDは前後両方のモーターを使用するハイブリッド・システムで、強烈な電流が流れる。気温が高いとそれらのシステムへの影響もあり、インバーター、バッテリー、モーター等、十分な冷却が要求される。気温が上がり路面温度が上がるとタイヤの使用パターンも考慮する必要がある。そして、ドライバーも運転席の気温上昇は歓迎しない。レギュレーションで運転席の気温は外気温と大きくかけ離れてはならないとなっているが、それでも暑いことには違いない。

 TMG(トヨタ・モータースポーツ)の佐藤俊男社長は、次の様に語った。

「今年こそ勝利を狙ってTS050 HYBRIDを3台持ち込みました。万全の体制です。空力の準備は万端です。今シーズン開幕から2連勝し、その後にテストを行って今週末を迎えました。3台になるとスタッフの数、パーツの数なども2台の時に比べて1.5倍ほど増えました。技術的な部分では問題はありませんが、大きくなった所帯を無駄なく動かすための洗練されたオペレーションが必要です。また、レースでは何が起こるか分かりませんから、もしもの時に備えて万全の準備をして臨みます。今年は必ず勝ちに行きますので、応援宜しくお願いします」

 予選は14日(水)と15日(木)の2日間にわたって行われ、決勝レースは17日(土)の午後3時(現地時間/日本時間22時)にスタートが切られる。

赤井邦彦