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資金繰りが「楽」なはずの「てるみくらぶ」の破たんは必然なのか?

6/13(火) 11:48配信

qBiz 西日本新聞経済電子版

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資金繰りが「楽」なはずなのに

 格安海外ツアーを主な商品とする旅行会社のてるみくらぶが経営破たんしました(本来は「破産」ですが、ここでは経営破たんとします)。直接の引き金は、資金ショートによって、航空券の発券に必要なIATA(国際航空運送協会)への支払い(約4億円)が出来なかったことです。

 ところで、旅行会社は通常、顧客である旅行者からツアー前に入金を受けます。つまり、サービスを提供する前に、代金を回収するわけです。一般的に、そうした業態は「資金繰りには困らないはず」と言われています。

 営業活動に投下される「運転資本」は、一般的に「売上債権+棚卸資産-仕入債務」と表されます。

 ちょうど、差額部分が運転資本、すなわち、会社が事業を維持するために用意する必要があるおカネです。

 てるみくらぶのように、顧客から前金で入金される業態では、売上債権(加えて棚卸資産)がない、あるいは少なくなるはずです。顧客から売上代金の支払いを先に受け、そのおカネを仕入れの支払いに回すことができるからです。

 ではなぜ、資金繰りが「楽」なはずのてるみくらぶが、資金ショートし、経営破たんしたのでしょうか。いくつか原因を分析してみます。

●仕入れの支払いのタイミングが早い

 旅行会社から航空会社や宿泊施設への支払いは、ツアー出発日よりも早期に必要となることが通常です。

 そのため、旅行会社としては、仕入れの支払いのために、顧客からの入金を早くしてもらわざるを得ないのが実情でしょう。

 つまり、実際には、資金繰りが「楽」なビジネスモデルとは言えないのです。

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