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MRJ巻き返しへ!パリ航空ショーの焦点

6/13(火) 8:16配信

ニュースイッチ

実機の初出展、歴史的なポイントに

 世界最大の航空宇宙産業展「パリ国際航空ショー」が19―25日の7日間、パリ郊外のル・ブルジェ空港で開催される。主催者によれば、世界から航空機や部品メーカーなど2300社・団体が出展。商談者を対象とする前半4日間の「トレードデー」には15万人の来場が見込まれる。

 日本企業でも国産小型旅客機「MRJ」を開発する三菱航空機(愛知県豊山町)や、ビジネスジェット「ホンダジェット」を開発するホンダ、防衛省などが出展者リストに名を連ねており、国際的な商談や情報発信に臨む。

<MRJは歴史的な実機初出展>

 パリ航空ショーは2年に一度、奇数年に開かれる世界最大の航空ショー。今回、米ボーイングが小型機「737MAX」の派生機種を事業化することが予想されたり、欧州エアバスが最新鋭大型機の飛行展示を予定したりしているが、日本で最も大きなトピックとなるのは、やはりMRJの実機出展だろう。

 世界の主要な航空ショーでは、メーカーは開発中の機体を展示してPRすることが多い。一方、これまでMRJの開発遅延に苦しんできた三菱航空機は、試験作業などを最優先するため航空ショーには実物大の客室模型(モックアップ)を出展してきた。MRJの実機が航空ショーに持ち込まれるのは初めてとなる。三菱航空機の親会社である三菱重工業の宮永俊一社長も現地に出向き、記者会見を行う予定だ。

<MRJ開発トップが語った「人種のるつぼ」>

 5月、三菱航空機はパリ航空ショーに先立ち、航空専門ニュースサイト「AIN online」にスポンサード・コンテンツ(広告記事)を掲載。MRJのチーフエンジニアを務める岸信夫副社長名で、開発の状況を今後の方針を明らかにした。

 それによると、現在、社内に計13人いるプログラム責任者は、10カ国の異なる国々の出身者で構成されているという。三菱航空機は、過去に何度もプログラムが遅れる要因となった「型式証明」の取得作業を加速するため、2016年から外国人技術者の採用を大幅に増加。約2000人の従業員のうち600人程度は外国人で占められている。岸副社長は同じ広告記事の中でこう述べた。「グローバルの航空専門家は、日本人の設計・製造リーダーと密接に協調している。我々はこれを『三菱航空機のるつぼ』と呼んでいる」。

 三菱航空機は、日本人だけでは突破の難しかった民間航空機開発という壁を、海外の経験者を交えることで乗り越えようとしているのだ。

 MRJの開発は長らく“苦戦”が伝えられてきた。2015年11月11日の初飛行後も、三菱航空機は2度にわたり納期を延期。経営陣の交代もあった。しかし同社は、今回のパリ航空ショーに開発中のMRJの実機を持ち込むことで、開発計画が着実に進んでいることを世界にアピールする考え。実機の初展示は、設計や製造現場の士気向上にも大いに寄与しそうだ。

 もっとも、単に機体を出展するだけでは華々しさこそあれ、収益にすぐつながる“実入り”はほとんどない。パリ航空ショーでは当然、MRJの大型受注も期待されるところだ。

最終更新:6/13(火) 8:16
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