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補助金目的で不要な間伐? 森林所有者と組合がトラブル

6/13(火) 15:31配信

福井新聞ONLINE

 福井森林組合(本所福井市、豊岡北士組合長)が同市安居、鷹巣両地区で行った間伐事業をめぐり、森林所有者と数年にわたりトラブルになっている。事業に交付される補助金目的で不要な間伐をしたのではないかなどと主張する所有者側に対し、組合側は「正当な事業」と否定。訴えに応えるため全木調査を行うなど、話し合いを続けているが解決には至っていない。

 今年3月21日、福井市内の森林で全木調査が行われた。小雨の降る中、組合作業員と森林を所有する男性ら10人が4時間ほどかけて、今も残っている木や切り株を数えた。

 調査が行われたのは安居地区内の安田町と深谷町で、2014年度に間伐事業が行われた森林の一部。あらためて調査した理由は「間伐率20%を満たしていない。補助対象にならない事業だったのではないか」と所有者の男性が訴えたためだ。

 組合資料から結果をみると、3・49ヘクタールのエリアにある1798本のうち、伐採したのは363本、間伐率は20・2%だった。補助対象となる2割はぎりぎりでクリアしていたが、男性は「新たな疑いが出てきた」と指摘する。

 同市森林整備計画の基準によると、問題となっているエリア(林齢49年)では間伐後、1ヘクタール当たり540~770本残っていなければならないにもかかわらず、間伐前の本数が既に基準を下回る515本で、間伐後は411本だったという。「そもそも必要がない間伐だったことが明らかになった」との主張だ。

 基準について組合側は「傾斜地だったり地形によって木の育成状況は異なる。あくまでも指針。伐採するかどうかは幹の太さや枝の張り具合、雪害で折れないかなど、現場で総合的に判断している」と説明。事業を検査し国や県の補助金の窓口となる県福井農林総合事務所も「指針は目安。事業に問題はなかった」との立場だ。

 また、13年度に事業が行われた鷹巣地区では、一部所有者が▽間伐してはいけない樹齢81年以上の木を切り、搬出されたのではないか▽整備された作業路に面しているのに間伐が行われていない場所がある―などと訴えている。組合は「正当な事業」と反論している。

 間伐事業は、12年度に導入された国の新制度に伴い、事業費の8~9割を国や県の補助金で賄うことができるようになった。安居地区では総事業費1327万円のうち補助金1272万円、鷹巣地区では1205万円のうち補助金1004万円の交付を受けている。搬出した木材の売却費で事業費の残額を賄い、余剰金は所有者に「精算金」として分配を予定している。

 トラブルになっている男性らは「補助金目的で無造作に間伐したのではないのか」との疑念を持ち、「父や祖父が植林した財産を不当に伐採された可能性がある。世代交代すれば自分の山がどこかも分からなくなり、何をされても分からない」と懸念。法廷闘争に持ち込む可能性を示唆するなど、徹底追及の構えだ。

 一方、福井森林組合は「間伐は本来の使命である森林の保全につながる」と事業の意義を強調。豊岡組合長は「解決に向け誠意を持って対応しているが、どうしても納得してもらえないのであれば、法廷闘争になっても仕方がない」と話している。