ここから本文です

一人ひとりに合わせたコース料理で「ミシュラン一つ星」に。気鋭料理人から学ぶ“仕事術”

6/13(火) 10:26配信

ホウドウキョク

人気店の料理ほど、文字通り“ひと味”違う。一流の料理人は、ビジネスマンにも通じるような“仕事哲学”を持って日々料理に向き合っているのではないだろうか。そこで、老舗日本料理店「なだ万」で13年の修行ののち独立し、ミシュランで一つ星を取得した予約困難店「季旬 鈴なり」の若き店主、村田明彦さんに話を伺った。

“100%の気遣い”をお客さんに提供するのが料理人の仕事

東京・門前仲町で、祖父がふぐ店を経営していたという村田さん。小さい頃からものを作って人に食べさせるのが好きで、高校に入ると祖父の調理場を手伝い、自然と「自分が店を継ぐ」と思っていたという。

高校卒業後は、「外の世界を見たほうがいい」という祖父の勧めで、老舗「なだ万」に就職。修行は厳しいものだったという。

「一番初めは、何をすればいいか分からないから厨房に立っているだけ。自分から『やらしてください』と機会を作る世界だなんて全然知らないから。上の人に言われるまでぼーっと立っていて。それじゃ怒られるから、厨房をうろうろ歩いていたら、それでも怒られる。しばらくしてからは、“これやっていいですか?”と先に声をかけるようにした。そうすると上の人は可愛がってくれるんだけど、先輩は面白くないから仕事をさせてくれなったりして、理不尽だと思うこともありました。最初は料理云々の前に、精神修行ですよね。これはやってはいけない、とか、したほうがいいとか。どうすれば上が喜んでくれるか、どうすればきれいに見えるか、とか」

「辞めてやろう」と何度も思ったというが、今振り返ると、そんな下積みの経験こそ、料理を仕事にしていく上で大切だと感じているそうだ。

「料理とは、“自分のことよりも、人のこと”。店を持てば、お客さんのことを第一に考え、100%の気遣いともてなしをお客さんに提供しなければいけない。下積みが長かったからこそ、お客さんとの接し方や言葉遣い、いろいろな気配りができるようになったと思います。今入ってくる若い子に同じ指導の仕方をしても理解してもらうのは難しいかもしれませんが、自分のことより人のことを考えられるようになってほしいなと思います」

1/3ページ

最終更新:6/13(火) 10:26
ホウドウキョク