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スポンジチタン、中国で急騰

6/13(火) 6:03配信

鉄鋼新聞

 スポンジチタンの価格が中国市場で急騰している。5月末時点で1キロ10ドル前後と年初の7・3ドルに比べ3割強上昇した。中国政府による環境規制を背景にスポンジチタンの中間原料価格が高騰しているためだ。今後はスポンジチタンを原料とするチタン展伸材の中国市況に上昇圧力が強まるとみられ、日本の展伸材メーカーの中国向け価格を押し上げる可能性もある。

 同市況は中国内で取り引きされる高品位のスポンジチタンが対象。市況が急騰しているのは、スポンジチタンの中間原料となる四塩化チタンの需給がひっ迫していることが引き金だ。政府による環境規制の強化に対応を迫られた四塩化チタンメーカーが設備休止や減産に動いており、四塩化チタンの需給がタイト化した。この結果、「四塩化チタンを外部から調達するスポンジチタンメーカーが製品価格に転嫁する動きが広がっている」(日本のチタンメーカー)という。
 スポンジチタンの中国市況は今年2月まで1キロ7ドル近辺で推移していた。3月ごろには約1年半ぶりに8ドルを突破。中国内の展伸材需要が回復基調にあることも加わり、足元でも上昇基調が続いている。
 スポンジチタン市況の上昇を受け、中国の展伸材メーカーが展伸材価格を引き上げる動きも出ているようだ。中国市場の展伸材価格は「直近安値に対し2割ほど高いケースもある」(市場関係者)という。中国材の価格上昇に伴い日本からの展伸材の価格競争力が相対的に増すため、「割高な中国材を嫌気した同国の需要家が日本材に手を伸ばす可能性もある」(同)。
 日本の展伸材の中国向け輸出量は2370トン(16年度)と国内出荷量全体の約15%を占める。発電プラントや苛性ソーダ製造プラントの重要部材などに使われている。
 一方、スポンジチタンについては中国市場の価格上昇が国際市況に与える影響は限定的なようだ。「中国産のスポンジチタンは自国市場での消費が中心」(日本のチタンメーカー)で、日本のスポンジチタンメーカーなどが主力とする欧米の航空機向けに出荷されるケースはほとんどないとみられるため。「世界的なスポンジチタン価格の押し上げにはつながらない」(同)とする声が多い。

最終更新:6/13(火) 6:03
鉄鋼新聞