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環境に配慮 八戸・種差海岸での訓練中止/陸自第9師団

6/13(火) 11:56配信

デーリー東北新聞社

 陸上自衛隊第9師団(青森市)所属の第5普通科連隊が14日に実施を予定していた、青森県八戸市の種差海岸での錬成訓練について、同師団が中止を決めたことが12日、分かった。当初、淀の松原にある岩場でロープを使った訓練を行う計画だったが、現地調査などを踏まえて総合的に判断したという。同連隊は2013年度まで毎年、種差海岸で同様の訓練を実施しており、4年ぶりに再開する計画だった。自然環境などへの影響を懸念していた地元関係者からは、今回の決定に安堵(あんど)する声が聞かれた。

 訓練は陸自隊員ら約35人が参加し、岩場をロープで上り下りするなどの内容。当初、「訓練に必要な高さと安全を確保できる」との理由で、淀の松原を訓練場所に選定したという。

 種差海岸は国名勝に加え、13年5月に三陸復興国立公園に指定された。環境省八戸自然保護官事務所と市によると、岩登りするために金具を打ち付けるなど、明確に自然破壊につながる行為は自然公園法や文化財保護法上の問題があるものの、岩場を登る行為自体を禁止する法的根拠はないという。

 一方、陸自側から訓練実施を打診された市や関係者は、岩場や周辺の植生などを傷付ける恐れがある上、訓練を見た観光客らによる遊歩道以外のエリアへの立ち入りを助長しかねない―といった懸念を示していた。

 12日には陸自隊員が現地を訪れ、市職員立ち会いのもとで確認を行った。本紙の取材に対し、同師団広報室は「市との調整や駐屯地からの距離、日程などを総合的に判断して中止を決めた」と話した。13日、市へ正式に中止を伝えるとしている。

 種差の植生に詳しい高橋晃さん(八戸市)は「種差海岸にはさまざまな団体や市民が関わって環境保全への意識も高いので、配慮してもらってありがたい」と話した。

デーリー東北新聞社

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