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玄海原発差し止め仮処分却下 佐賀地裁

6/13(火) 12:26配信

佐賀新聞

 九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)は安全性に欠けるとして、反原発の市民団体の住民が再稼働の差し止めを申し立てた仮処分で、佐賀地裁は13日、却下する決定をした。原子力規制委員会の新規制基準について「合理性がある」と判断した。地元手続きが終了している3、4号機は、今秋以降に再稼働する見通しになった。

 立川毅裁判長は決定理由で、新規制基準における耐震設計の目安になる地震の揺れ「基準地震動」について、「複数の手法を併用して最も厳しい評価結果を採用するのを想定し、最新の科学的、技術的知見を踏まえることなどが明確に求められるなど、合理性が裏付けられる」と判断した。原子力規制委の審査に関しても、「適正さを欠く部分は認めにくく、厳格かつ詳細に行われた」とした。

 住民側の「基準地震動が過小評価されている」との主張に対し、「採用されている地震の計算式は現在の科学技術に照らして合理的で、妥当性も確認されている」として退けた。

 施設の配管の安全性も争点になり、立川裁判長は、2007年2月に2号機の定期検査で判明した配管のひび割れが01年時点で把握できたことを示して「発見が遅れたことは問題がある」と指摘。一方で、「検査自体が不合理だったとは言えず、重大な不備とまでは認められない」とし、配管にひび割れなどが生じても重大事故が生じないよう安全性を確保していると結論付けた。

 同様の仮処分では、大阪高裁が3月、新基準を「不合理とは言えない」として関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転を差し止めていた昨年3月の大津地裁決定を取り消した。広島地裁も今年3月、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転差し止めの申し立てを却下しており、住民側に厳しい判断が続いている。

 今回の仮処分は、原発の運転差し止めを求める訴訟を起こしている「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」(石丸初美代表)に加わる住民らが11年に申し立てた。玄海原発3、4号機の再稼働差し止めを巡っては、別の団体が今年1月に佐賀地裁に申し立てた仮処分も審理されている。

最終更新:6/13(火) 12:26
佐賀新聞