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“事故から6年”福島原発80メートル手前に立つと、屋根が吹き飛んだ1号機が

6/13(火) 7:36配信

ハンギョレ新聞

事故から6年、福島原発を行く 「原発敷地95%全身保護服着用せずに出入り可能 汚染水生成量も1日150トン規模に縮小」 しかし、汚染水最終処理、廃燃料抽出など難題山積 東京電力「最終廃炉まで30~40年予想」

 9日、福島県大熊町と双葉町にまたがる福島第1原発原子炉1号機から80メートル離れた断崖まで近付くと、水素爆発で屋根が吹き飛んだ1号機の姿があらわれた。2号機と3号機は銃砲弾に撃たれたように壁面の所々が割れていた。

 2011年3月11日の東日本大震災による福島原発放射能漏出事故から6年が過ぎたが、福島原発の廃炉作業は依然不可能な任務として残っている。最近、韓国でも初の原発である古里(コリ)原子力発電所1号機の廃炉が決定されたが、福島原発の廃虚は原発が大災害に対してどれほど脆弱か、そして事故がおきた原発を廃炉する確実な方法はまだ存在しないという真実を証言しているようだった。

 日本フォーリン・プレスセンター(FPCJ)と外務省が進めたプレスツアーに参加し、見てきた福島第1原発は、見た目には以前より大幅に安定を取り戻した様子だった。かつて取材陣が原発内に入るために着なければならなかった全身保護服の代わりに、今はふだん着の上に安全チョッキを重ねて着て、マスクと保護メガネ、鉛の入った安全靴を着用することになった。福島原発の運営会社である東京電力パブリックコミュニケーションチームの広瀬大輔課長は「(汚染除去作業が大幅に進み)福島第1原発の敷地350万平方メートルのうち95%が軽い保護装具で作業可能なグリーンゾーンになった」と説明した。

 だが、福島第1原発の奥深いところに入ると、放射線量はまだ高かった。1~3号機から80メートル手前の断崖で測定した線量は、時間当たり20マイクロシーベルト程度だった。 シーベルトは、放射線が人体に影響を及ぼす程度を測定する単位で、ソウルの平均放射線量は時間当たり0.1マイクロシーベルト程度だ。福島第1原発でも最も放射線量が多い原子炉2号機と3号機の間を取材陣を乗せたバスが通過したとき、バス車内の線量が時間当たり275マイクロシーベルトまで急騰した。

 ここで毎日増え続ける大量の汚染水問題は相変らず深刻だ。敷地のあちこちには高さ約15メートルの巨大な水タンクが立ち並んでいる。地下水が原子力発電所の内部に流れ込み出てくる汚染水を保管するためだ。東京電力は汚染水を減らすため、地下水を吸い上げる井戸を設置して、汚染水の生成量を1日400トンから150トンに減らしたと説明したが、汚染水の生成を完全に防ぐことはできない。汚染水は容量1000~2000トンのタンク900本あまりに貯蔵され、先月末基準で99万トンが保管されている。東京電力は汚染水が海に流れ込まないよう、陸地部分には土地を凍らせて汚染水の流出を遮断する凍土壁を作っていて、海と接する部分にはコンクリートなどで遮水壁を作った。ただし、原子力発電所の内部と外部の水位差によって、一気に汚染水が外部に流出する憂慮のために凍土壁はまだ完全稼動できずにいる。汚染水の最終処理方法についても結論が出ていない。東京電力広報室の岡村祐一部長は「技術的には保管中の汚染水を浄化した後に蒸発させる方法、海に流す方法などがあるが、まだ結論を出せずにいる」として「福島原子力発電所が直面した地下水汚染問題は、チェルノブイリやスリーマイル原発事故ではなかった人類が初めて直面する問題だ」と話した。

 根本的な課題である廃燃料の抽出作業は一層難題だ。メルトダウン(原子炉の冷却装置が停止して、原子炉の炉心部が溶けてしまうこと)までには至らなかった4号機の廃燃料抽出作業は終わったが、メルトダウンが起きた1~3号機では未だ着手段階だ。特に1号機と2号機は、今年2~3月にロボットを利用した内部観察が一定部分なされたが、強い放射線量のためにロボットが途中で故障した。原発から車で30分離れた遠隔技術開発センターでは、廃炉作業のためのロボット開発とバーチャルリアリティ(VR)技術を研究中だ。

 福島県庁の職員と東京電力の関係者たちは、福島県が徐々に安定を取り戻しつつあり、原発も比較的安全に管理されていることを強調した。しかし、原発の廃炉までの道は、はるか遠く見えた。東京電力は、福島第1原発の廃炉までには30~40年かかると明らかにした。

福島/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:6/13(火) 7:36
ハンギョレ新聞