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夏「背番号1譲れぬ」/春季東北高校野球準Vの光星2投手

6/13(火) 11:53配信

Web東奥

 宮城県で12日に幕を閉じた第64回春季東北高校野球大会。八戸学院光星高校を準優勝に導いた二枚看板は、ともに青森県南育ちのライバル同士だ。現エースの福山優希選手(2年)=八戸・市川中出=と、けがから復帰した前エース・向井詩恩選手(3年)=三沢二中出=は、ベンチ入り20人に食い込んだ数少ない青森県出身者。夏の甲子園予選に向け、互いに「背番号1は譲れない」とエース争いに闘志を見せている。
 福山選手は小中学時代から、八戸市のリトルリーグ・シニアで硬式野球に触れてきた。「小2の時、たまたまバッティングセンターに連れて行ったら、よくバットに当たった」と父・健一さん(47)。「鬼ノック」で自ら息子を鍛えた時期もあったという。
 一方、東北町出身の向井選手は中学まで軟式一本。5歳でグラブを買ってもらうと、野球に没頭した。母・千鶴さん(38)は「漫画もゲームも全て野球。中継が始まるとテレビの前で、画面に映るキャッチャーのサインに首を振ったりしていた」と笑う。
 2016年秋、八学光星の「1」は向井選手が背負っていた。しかし今春、腰を故障。エースナンバーは福山選手に移った。部員133人の甲子園常連校。戦力の入れ替えは日常茶飯事だ。
 向井選手は、東北大会直前まで投球練習すらできず、県大会はベンチ外で応援。一方で福山選手は登板こそ増えたものの、大事な場面で打たれるなど、思うように力を出せず苦しんでいた。
 迎えた東北大会で、先に結果を出したのは向井選手だった。復帰初戦の明桜(秋田)戦で好投。翌日、福山選手は宿泊先のホテルで読んだ新聞に動揺した。「記事に『エース向井』とあり、恥ずかしくて悔しくなった」
 12日の決勝。敗れはしたものの、2人の継投で仙台育英の強力打線を1点に抑えた。六回終了で降板を告げられた向井選手はベンチ前で「味方が必ず点を取ってくれるから、0点に抑えてくれ」と声を掛けた。無言のまま、強くうなずいた福山選手は、2回をいずれも三者凡退に切って取り、現エースの意地を見せた。
 夏本番に向け、激化する背番号1の争奪戦。選手層が厚い八学光星で、エースを狙う投手は少なくない。仲井宗基監督(47)は「背番号1は一つしかないが、皆がエースのつもりで投げてほしい」と語る。
 ライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)する2人。「向井さんに負けず、夏も背番号1を守りたい」と福山選手。向井選手は「自分以外の背中に『1』があるのは悔しい」。甲子園を目指す夏の全国高校野球選手権青森大会は、7月13日に開幕する。

東奥日報社

最終更新:6/13(火) 11:53
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