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暗闇でもカラー写真 ナノルクス (つくば市)

6/14(水) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

産業技術総合研究所(産総研)発ベンチャーのナノルクス(つくば市千現、祖父江基史社長)は、台湾の大手ITメーカー、ASUS(エイスース)社と提携し、独自の「赤外線カラー暗視技術」を生かした商品開発に乗り出す。従来の赤外線撮影とは異なり、全く光のない場所でもカラーで写真や動画がリアルタイムに撮影できる新たな技術で、社会インフラや防犯・車載カメラに加え、ASUSの得意分野のスマートフォンなどへの活用も視野に入れていく。


カラー暗視技術は、ナノルクスの技術担当取締役を務める産総研の永宗靖主任研究員が開発。肉眼では見えない近赤外線の領域に光の三原色に相当する色の情報があることを発見したのがきっかけ。近赤外線を被写体に照射し、反射される波長や可視光の反射強度との相関関係を解析して可視光での見え方を再現する。特許も取得している。

暗闇で映像を捉える手法自体は、従来のモノクロ撮影と変わらず、同社の技術を応用した画像処理用半導体(イメージセンサー)をカメラに組み込めば簡単に使うことができる。トンネルや高速道路などの社会インフラのほか、防犯カメラや自動車の車載カメラなど産業用途向けの商品開発を模索してきた。

こうした中、4月に提携に向けた動きが急転。知人のベンチャーキャピタル経由で、ASUSを紹介されたことから、祖父江社長が台湾の同社を訪れ、プレゼンテーションを行ったところ、その日のうちに1億円の直接投資と同技術を生かした商品の共同開発の意思を伝えられた。

ASUSは年間売上高が約1兆6千億円のスマホやノートパソコンの一大メーカー。祖父江社長は、グローバル市場で有力商品を展開する同社との提携について、「最もスピード感のある技術重視の企業で、自社技術をいち早く広めるための最適なパートナーと強く感じた。部材調達などでもASUSのネットワークを活用できるのは大きい」と期待。具体的な開発商品については明示しなかったが、同社主力のスマートフォンなどが有力視される。

祖父江社長は「通常の2~3倍のスピードで、赤外線カラー暗視技術を搭載した商品を送り出し、この技術を世界に広めたい」と意欲を見せる。(松崎亘)

茨城新聞社