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観光定額タクシー利用急増 “大雪”が転機 養父

6/14(水) 8:30配信

神戸新聞NEXT

 兵庫県養父市が観光客の市内周遊を促そうと、2015年度に市内のタクシー業者と共同で始めた時間制の「定額観光タクシー」の利用件数が急増している。初年度はわずか1件だったが、2年目は大雪でスキー客の利用が増加。市は制度廃止まで検討していたというが、今度は市議会の6月定例会に、17年度事業費を増額する補正予算案を提出するなど、対応に追われている。(那谷享平)

 定額タクシーは、市内の観光スポットを回る際、JR八鹿駅や道の駅「ようか但馬蔵」、同「但馬楽座」などを発着点に利用できる。料金は時間ごとの定額で、市の補助もあり、普通のタクシーよりも最大で半額近く安くなる。

 市は当初、公共交通機関などで訪れるスキー客らの利用を想定。だが事業を始めた15年度は記録的な暖冬だったこともあり、利用数はわずか1件と低迷した。16年度も秋までは10件と伸び悩み、11月ごろの予算案編成の時点では廃止も検討されたという。結果的に存続が決まったが、17年度当初予算は前年度比20分の1の10万円に削減された。

 しかし、転機が16年度冬の大雪によって訪れた。市民生活に深刻な影響が出た半面、「雪道の運転に自信がない」などの理由で、道の駅に自家用車を止め、定額タクシーを使う家族連れのスキー客が続出。同年度末時点で、利用件数が44件まで増えたという。

 本年度も4月末までで6件の利用があった。利用増を受け、市は6月定例会に、割り引き費用やPR費計90万円を追加する補正予算案を提出。以前は「自家用車での観光が中心で、タクシーにはニーズがないのか…」と弱気だった同課職員も、今では「浸透させられれば、人気が出るのでは」と気を取りなおす。

 運営などを委託される「やぶ市観光協会」によると、高齢者を中心に花見シーズンの利用も増えているという。同協会は発着する場所を増やして利便性を高めるほか、特設ホームページも開設。同市へ到着する高速バス内や、同協会内での周知に力を入れる。

 同市商工観光課は「スキーシーズンの家族連れと、登山などに訪れる高齢者層にターゲットを絞ってPRしていきたい」としている。

最終更新:6/14(水) 8:52
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