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上野のパンダなぜ少子化 “多産”和歌山と異なる理由

6/14(水) 11:01配信

東スポWeb

 上野動物園(東京都台東区)で12日、ジャイアントパンダの雌・シンシン(11歳)と雄・リーリー(11歳)の間に赤ちゃんが誕生して、日本中がこのおめでたいニュースでもちきりだ。人間で言うと互いに30代前半だという。同園での赤ちゃん誕生は5年ぶり5例目の吉報だ。一方で、和歌山県白浜町のテーマパーク「アドベンチャーワールド」では2000年からコンスタントに赤ちゃんが誕生している。上野動物園と“多産”の「アドベンチャー――」の飼育方法や環境に違いがあるのだろうか。

 12日午前11時52分、上野動物園でジャイアントパンダの赤ちゃんが「ギャーギャー!」と産声を上げた。シンシンは出産後、赤ちゃんをなめたり抱きかかえて温めるなどすっかり“母の顔”。赤ちゃんの性別は不明で、体重は映像などから平均的な150グラム程度とみられる。「母子共に健康」だという。

 シンシンは2月27日にリーリーとの3回の交尾が確認されていた。5月中旬から主食の竹を食べる量が減り、休憩時間も長くなり、乳頭が目立つようになるなど、妊娠の兆候が強まったとして先月25日から公開が中止されていた。

 シンシンとリーリーは11年に中国から初のレンタル方式で来園。1頭にかかる年間のレンタル料は約1億円といわれる。上野のように予算が決められた都立動物園では頭数を増やせず、人間よりもカップリングが難しいと言われるジャイアントパンダにおいて、雌1頭、雄1頭という“選べない”環境で繁殖を期待されていた。

 シンシンの初産は12年で同園では24年ぶりの快挙だったが、産んだ赤ちゃんは生後間もなく肺炎のため死んだ。13年には妊娠していないのに妊娠の兆候が表れる偽妊娠…という悲報が続いたため、今回の赤ちゃん誕生は久しぶりの明るい話題となった。

 一方、中国の成都大熊猫繁育研究基地の日本支部として、中国とパンダ飼育を共同研究している和歌山県白浜町の民間テーマパーク「アドベンチャーワールド」では00年以降、コンスタントに赤ちゃんが誕生しており06年からは2年に一度生まれている。これだけ“多産”なのには何かワケがあるのだろうか。

「どうぶつ奇想天外!」(TBS系)のディレクターを長年務めた動物ジャーナリストの佐藤栄記氏は「アドベンチャーワールドは世界的に見ても一、二を争う繁殖成功率ですが、上野動物園も飼育方法や環境に大差はないでしょう。アドベンチャーワールドにいる雄の永明(エイメイ)がビッグダディどころではない天賦の繁殖力を持っていることが要因です」と指摘する。

「永明は同じく中国から来た梅梅(メイメイ)との間に6頭もうけたのですが、永明がすごいのは梅梅の死後、梅梅と別の雄の間に生まれた義理の娘・良浜(ラウヒン)との間にまた8頭ももうけたこと。パンダは発情期が早春の2週間ほどで受胎可能な日は2~3日しかない。その時期に相性抜群の梅梅、さらに梅梅のDNAを引き継いだ良浜とマッチングした奇跡は大きい」と佐藤氏。

 雌パンダはかなり面食いで、ストライクゾーンも狭いことで知られるが「永明は群れのリーダーとしていばりくさるタイプでなく、異性の応援を追い風に上っていくタイプで、交尾の際も雌が発情するまで優しく待つんだそうです」(同)

 優しさもあるが、永明がかなりの絶倫なのは間違いない。

 どうしても性豪・永明を擁するアドベンチャーワールドと比較されてしまうが「上野動物園で5年ぶりと聞くと、だいぶ間が空いたように聞こえるが、12年にも出産はしており、受胎率が低いわけではない」と佐藤氏。

 何はともあれ、生まれた赤ちゃんがスクスクと成長しかわいい姿がお披露目される日が待ち遠しい。

最終更新:6/14(水) 17:23
東スポWeb