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城里町議会、予算4回目で可決 町長「速やかに執行」

6/14(水) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

城里町議会は定例会最終日の13日、過去3回否決している2017年度一般会計当初予算など予算関連7議案について、いずれも賛成10、反対4の賛成多数で可決した。否決に伴い専決処分した必要最小限の暫定予算を吸収する形で、同日から本予算に切り替わった。閉会後、上遠野修町長は「(可決に)安堵(あんど)している。速やかに予算を執行することが使命」と遅れた町政を取り戻す覚悟を述べた。

一般会計は5月の臨時議会で提案した内容をさらに修正し、額は同額の92億1300万円を計上。臨時議会で指摘された道の駅のトイレ整備費を約224万円減額するなどした。

3月の定例会で最初に提案した一般会計案からは計1400万円減。常北運動公園駐車場の整備関係費、旧七会中をサッカー・J2水戸ホーリーホックのクラブハウスなどに改修するのに伴う備品購入費の一部、都市計画策定に伴う公園整備のイメージ図作成料が省かれた。

同日は、副議長の関誠一郎町議が提出した「上遠野町長の議会対応に反省を求める決議案」を賛成9、反対5の賛成多数で可決。「政策決定の過程が全く見えない」と議会との合意形成不足を指摘する内容で、町長と議会の溝は一層鮮明になったが、予算はようやく可決となった。

過去3回反対し、今回賛成に回った関町議は閉会後、「町民の生活にこれ以上影響させてはならない」と、否決を回避した理由を語った。

上遠野町長はこれまで暫定予算(4~6月分)を専決処分し、本予算に代えてきた。必要最小限にとどめるため、下水道管埋設工事費約2億9400万円▽町道工事費約1億9800万円▽団体活動補助金約4800万円-などの計上が見送られ、町内団体の活動、地域経済への影響があった。

傍聴に訪れた町内の建設業関係者(79)は「町の発注がストップし、死活問題。可決されたが、予算執行は先になるので、まだ耐える必要がある。今後は議会も町長も町民第一で町政を運営してほしい」と苦言を呈した。

上遠野町長は閉会後、「議会の理解を得られるようさらに丁寧な説明を心掛ける」と話し、合意形成と円滑な町政運営に意欲を見せた。

■解説 町民生活の影響懸念

混迷を極めた城里町政がようやく正常化に動いた。町議会で一般会計など当初予算案の否決を繰り返し、4回目の提案で可決した。一部町議らと町長の溝は深いままだが、町民生活への影響が懸念され、対立は“時間切れ”となった。

一般会計を見ると原案からの減額はわずか1400万円。3カ月にわたり可決できなかった理由を予算案の中身とするのは厳しい。

反対してきた町議らの主張は、今回可決した「町長の議会に対し反省を求める決議」にある。予算に関して事前説明が十分でない、人事が独善的など政治手法を問う内容だ。この決議を落としどころに対立はいったん幕引きとなった。

可決に時間がかかった結果、工事などの発注が遅れ、町内団体への補助金交付も先送りされている。地域経済、生活に少なからず影響を及ぼしており、不安を募らせる町民の声を町議らは無視できなかった。反対を続けるという町議らの政治手法が、理にかなっていたか疑問が残る。

教育長人事も3月に否決されたままで、7月の臨時議会で審議される見込み。火種が解消されたわけではなく、上遠野修町長は決議を踏まえて、真摯(しんし)な対応が求められる。(笠間支局・今井俊太郎)

茨城新聞社