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来るべきIoT時代、「ハードウェアメーカーはソフトウェア企業に転身すべし」

6/14(水) 7:40配信

MONOist

 ジェムアルトは2017年6月12日、東京都内で記者会見を開催。オランダ本社Gemaltoのプロフェッショナルサービス ソフトウェア収益化(Software Monetization)事業本部 バイスプレジデントを務めるジャム・カーン(Jam Khan)氏が、IoT(モノのインターネット)への注目とともに成長しているソフトウェア収益化について、従来のハードウェアメーカーがどのように実現すべきかについて説明した。

【ドイツの老舗ロボットメーカーの事例などその他の画像】

 カーン氏は「さまざまなハードウェア製品は、IoTとなることで知能化していく。ハードウェアを構成するソフトウェアとIoTを実現する接続性の重要性は増し、従来は難しかったリアルタイムデータの管理も可能になってきた」と語る。

 これらIoTによる変化は、これまでハードウェアを開発/製造/販売してきた企業にも変革をもたらしつつある。「ハードウェアを作って売れば良かったが、IoTになると出荷してからのことを考えなくてはならない。出荷した後に生まれる価値の収益化が必要になってきたのだ」(カーン氏)。

 カーン氏によれば、IoTの収益化には4つのビジネスモデルがあるという。1つ目の「エコシステムによる収益化(Ecosystem Monetaization)」は、IoTをどうつなげてどのように展開するかの手段を提供する企業で、従来のITベンダーや、IoTプラットフォームのベンダーになる。

 2つ目の「データによる収益化(Data Monetaization)」では、収集したあらゆるデータをさまざまな企業に販売するビジネスモデルだ。カーン氏は「ミシュランは自社のタイヤから得たデータを自動車メーカーや自動車販売店などに販売している」と例を挙げる。3つ目の「サービスによる収益化(Servece Monetaization)」は、ミシュランから得たデータを使って新たなサービス提供を行う自動車メーカーや自動車販売店に当たる。

 そして4つ目の「デバイスによる収益化(Device Monetaization)」こそが、IoT時代にハードウェアメーカーが目指すべき姿だとした。例えば、通信機器で知られるシスコシステムズ(Cysco Systems)は、自社をソフトウェア企業と規定し、自社で開発したハードウェアも顧客にはソフトウェアとして購入してもらうようにしているという。「既に、通信機器の機能追加をソフトウェアアップデートだけで実現できるようにしている」(カーン氏)という。

●ドイツの老舗ロボットメーカーの華麗なる転身

 では、ハードウェアメーカーは、どのようにすればデバイスによる収益化が可能になるのだろうか。カーン氏は「ハードウェアのビジネスはシンプルだが、IoTとなることでソフトウェアの重要度が高まるとより複雑になっていく。顧客の要望も厳しくなり、IoTに関わるソフトウェアの管理コストも増える。盗難や著作権、セキュリティにも配慮しなくてはならない。これらの課題に対応するには、自らをソフトウェア企業のように変えていかなければならない」と指摘する。

 カーン氏は、典型的なハードウェアメーカーがソフトウェア企業に転身した事例を紹介した。あるドイツの老舗ロボットメーカーが、ロボットを売り続けてももうからないという事態に直面し、ハードウェア部門を中国企業に売却した。その一方で、制御アプリケーションの販売を強化する方向性を打ち出すとともに、それらの制御アプリケーションと関連するソフトウェアをサードパーティーが開発できるようにした。これにより、制御アプリケーションのアプリストアを実現したという。「その老舗企業は、アプリストアについて、何を売るのか、誰が使うのか、どのサードパーティーが関わるのかといったことを検討し、ライセンス管理や課金にジェムアルトのソリューションを採用した」(カーン氏)。

 とはいえ、ハードウェアメーカーがソフトウェア企業になるのは容易なことではない。トップダウンによる経営方針の決定を基にビジネスプロセスを変革する必要があり、技術やサービスだけで解決することはできない。米国では、ハードウェアメーカーが経営陣にソフトウェア企業出身者を採用することで変革に臨もうとするトレンドもあるという。

 カーン氏は「ジェムアルトは、ソフトウェア収益化のソリューションを提供する企業だが、デバイスによる収益化を目指すハードウェアメーカーへのコンサルティングも行っている。先ほどのドイツの老舗ロボットメーカーをはじめとするユーザー事例から、さまざまな提案が可能だと考えている」と述べている。

最終更新:6/14(水) 7:40
MONOist