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高知県大川村が直接民主制に? どうして何が問題になっているの?

6/15(木) 10:11配信

THE PAGE

 高知県にある大川村が、村議会を廃止して「村総会」を設置することについて検討を開始しました。これにはどんな意味があるのでしょうか。

大川村ってどんなところ?

 大川村は、離島を除くと日本でもっとも人口が少ない自治体として知られています。現在の人口は約400人ですが、人口減少は今に始まったことではなく、鉱山の閉鎖やダム建設に伴う集落の水没などにより1960年代から1970年代にかけて急激に人口が減っていました。

 大川村の予算は年間約20億円で、歳入の半分以上が地方交付税交付金や国庫支出金といった国からの支援で占められており、村税といった自主財源は全体の15%程度しかありません(2016年度当初予算ベース)。

 これまでは他の自治体と同様、6人の議員からなる村議会が予算や条例などの議案について審議してきましたが、平均年齢が70歳を超え、有権者も高齢化が進んできました。

 2年後の村議会議員選挙では立候補者が足りなくなるという事態も想定されるようになってきたことから、村では村議会を廃止し、代わりに有権者全員で議案を採決する「村総会」制度の導入について検討を開始したわけです。

村総会は一種の直接民主制

 地方自治法では町村に限って町総会や村総会の設置を認めており、法律上は導入することについて問題はありません。ただ、定足数をどうするのかなど具体的な内容を詰める必要があるほか、村民の負担がどれだけ大きくなるのかなどクリアすべき課題はたくさんあります。

 この制度は一種の直接民主制と考えてよいでしょう。わたしたちは、一人ひとりがそれぞれ主権を持っていると考えてしまいがちですが、必ずしもそうとは言えません。最終的に権限を持っているのは、わたしたちの意見の総意としての「国民(市民)」であって、個別の国民(市民)ではないからです。このような個別の意見の総意を示したものが議会であり、そうであるが故に議会制民主主義では、議会に最終的な決定権がゆだねられています。

かえって細かいことが議論できなくなる?

 直接民主制は、国民全員が参加しますから平等な制度ですが、英国のEU離脱をめぐる国民投票に代表されるように、極端な結論に傾きやすいという特徴があります。

 また、大人数での討議となりますから、細かいことを議論できなくなるという実務上のデメリットも出てきます。議会制民主主義の制度と直接民主主義の制度のどちらがよいのかは、簡単に決着がつく問題ではありませんが、その意味で、大川村が具体的にどのような制度を打ち出してくるのか注目されます。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/20(火) 6:08
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