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中国、全国533銀行のうち20行が住宅ローン貸出を停止

6/14(水) 6:50配信

ZUU online

全国533銀行のうち、すでに20銀行が住宅ローンの貸出を暫定的に中止していることが分かった。CCTV系の央視財経が伝えた。記事は都市住民の大ニュースとしながらも、すぐに政策の範囲内であること、全面的な貸出中止には至らないと主張している。ただし住宅購入者にとって大問題なのは間違いない。中国の不動産市場はどうなっているのだろうか。

■貸出利率上昇しして停止

最近、北京、上海、広東、深センなど一線級都市における、首套(初めての購入住宅)ローンの貸出利率は上昇していた。取引量も大きくダウンしている。それがここへ来て、第二線、第三線級都市でも同様の傾向が見られるようになった。

金融サイト「融360」の調査によると、5月の首套ローン平均利率は4.73%で、これは前月比で4.64%上昇した。前年同月比では6.29%の上昇である。また5月の最低利率は大連市の4.49%、最高は石家荘市の4.99%だった。

政府は新規ローンを前年比95%くらいに抑制したいと見られる。何も手を打たなければ110%に増えてしまうという危機感のようだ。そのため市場の変化に留意しつつ、貸出利率の上昇は容認していると見られる。

また10%以上低い優遇金利を提供する銀行もここへ来て大幅に減少している。5月は533行中12行のみで、これは4月に比べ30行減少した。

そうした基調になか、ついに一部の銀行が住宅ローンの貸出しを中止したのである。

■金融アナリストの分析

融360のアナリストのよると、ここへ来て調整の進んでいる理由は以下のような原因が考えられるという。

(1)政策の範囲内において利率の調整はできる。首套用ローンだけの調整なら、金融機関の経営への影響は小さい。

(2)一定の状況下において首套用の貸出総量をコントロールするのは、銀行収益にも有用である。また中古住宅市場への影響も軽微だ。

(3)政府の政策調整過程において、多くの都市では市場の成行きを見極めたいとして様子見姿勢に入る。その姿勢そのものが調整効果をもたらす。調整後の変化を見通そうとするからだ。

そして貸出利率上昇にともない、銀行は資金を振り向ける姿勢を加速する。債権運用と同様、利益を追求するいつもの姿勢である。しかし資金需給が不安定の中、不動産以外の資金不足を助長しても困る。こうした要請からもより強力な不動産市場調整は不可欠となったのである。

■小さなビッグニュース

この記事も都市住民の大ニュースと題しながら、扱いはそれほど大きくない。具体的な銀行名は報じられていない。また全面的な貸出し停止はあり得ないと強調することも忘れていない。不動産は国民の関心の高い、極めてデリケートな問題だ。

リーマンショック以降、中国ではどれだけの不動産騒動が起きたか数えきれない。もはや治安問題でもある。どうやら政府の意向は、秋の第19回共産党大会まで、何としても乱高下を避け、不動産市場を安定させることのようである。調整は秋まで続くと思って間違いなさそうだ。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

ZUU online

最終更新:6/14(水) 6:50
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