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桜川市・石岡市、上曽トンネル整備事業 特例債活用し再開へ

6/14(水) 6:00配信

茨城新聞クロスアイ

桜川市と石岡市を結ぶ県道石岡筑西線の上曽(うわそ)トンネル整備事業が完成に向けて大きく動きだした。同事業は2001年度の起工後、トンネル本体工事に着手できないまま停滞していた。両市長は5月19日、合併特例債を活用して市道整備として進めることで合意した。今後は両市議会の承認を得た上で、25年度の開通を目指し、地元の悲願である同事業が16年ぶりに再開される見通しとなった。 (筑西支社・平野有紀)

「険しい峠に向かう気持ちで今日に至った。峠に立って頂上にたどり着いて大塚(秀喜)桜川市長の顔が何と神々しく見えたか」。5月19日、桜川市役所で開かれた両市と県の「上曽トンネル整備事業調整協議会」初会合。石岡市の今泉文彦市長は懸案事項が再び動きだすことを喜んだ。

石岡市上曽と桜川市真壁町山尾を結ぶ県道石岡筑西線に建設予定の上曽トンネル。旧八郷、真壁両町時代の1990年度に基礎調査に入り、94年度に設計・測量を実施。2001年度に取り付け道路が起工したものの、その後、石岡市側の用地取得が難航し、さらに県の財源不足が重なるなどして、トンネル本体工事に着手できないまま現在に至っている。

これまで、両市などで組織する主要地方道石岡筑西線整備促進期成同盟会が、工事の早期再開に向けて協力を求める要望書を橋本昌知事に提出するとともに、両市議会は早期のトンネル完成を求める決議を相次いで可決した。両市は15年、課題の財源確保策を研究する勉強会を立ち上げて検討を進めてきた。

勉強会などが財源として着目したのは合併特例債。12年に開通した土浦市と石岡市を結ぶ朝日トンネルも特例債や国の交付金を活用して整備された。

■安全性、利便性向上

現在、両市の行き来は主に県道石岡筑西線の上曽峠を通るルートが使われている。乗用車や運送用のトラックなど日中の往来は少なくないが、道幅が狭く、見通しの悪いカーブが続いて大型車の交互通行が難しい箇所もある。冬は積雪で通行止めになることもある。

同トンネル整備は、道路の安全性向上や地域間の交流促進を目指す事業。桜川市は、茨城空港などへの交通アクセス向上のほか、「筑波山地域ジオパーク」の観光客の回遊効果にも期待する。石岡市は「新たな交流や連携が生まれる。新たな産業の可能性なども模索したい」と意気込む。

■事業費を再積算

事業費は01年度当初の計画で150億円だったが、03年度には110億円に圧縮。16年までの事業全体の進捗(しんちょく)率は事業費ベースで11%。両市は本年度、県に設計を委託し、事業費を再積算する方針。県道路建設課は「人件費や資材費は上がっているが、技術は向上している分、コストカットが期待できる部分もある」とし、事業費については設計を見直しながら調整していくという。

今後、両市は議会の承認を得ながら、合併特例債の活用の準備を進める。財源は合併特例債と国の交付金、県の補助も見込む。来年度は工事に着手し、特例債の期限となる25年度の完成を目指す。石岡市は引き続き未買収用地の交渉も進める。

★上曽トンネル整備計画

石岡市と桜川市を結ぶ延長6・1キロで、うちトンネル部分は3・5キロ。事業費は2003年度時点で110億円。負担の内訳は県100億円、石岡、桜川両市が各5億円だった。事業の進捗率は事業費ベースで石岡市区間が72%、桜川市区間が31%、全体では11%となっている。

茨城新聞社