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「緑十字機」の歴史、次代に 児童向け冊子を製作

6/14(水) 8:39配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 磐田市の元図書館司書寺田美代子さん(71)が、終戦直後に同市の鮫島海岸に不時着した軍用機「緑十字機」の歴史を伝える児童向け小冊子「平和の白いはと みどり十字機ものがたり」を製作した。「多くの子どもたちに読んでほしい」との思いで読みやすい物語風の内容に仕上げ、13日に同市教育委員会に50冊を寄贈した。

 緑十字機は、太平洋戦争の降伏受理協議のためにフィリピンに向かう日本代表団を千葉県から沖縄県に運んだ飛行機。機体に描かれた緑十字が名称の由来。1945年8月下旬、2機のうち1機が千葉に戻る途中に鮫島海岸に不時着した。

 全32ページの小冊子では、擬人化した緑十字機の「私」を主人公にして、太平洋戦争末期の国際環境と緑十字機派遣の経緯や、軍使らが鮫島海岸で地元住民に救助され東京に戻った当時の状況などを分かりやすく紹介している。緑十字機の著書がある同市の郷土史家の岡部英一さん(65)が監修した。

 読みやすさに配慮し、文字を大きくして全文にふりがなを付けた。一方で児童生徒に読む力を養ってもらおうと挿絵は入れなかった。

 市役所に村松啓至教育長を訪ねた寺田さんは「鮫島という一地域の話でなく、日本史、世界史に関わる大きな意義のある史実。ぜひ学校で先生に読み聞かせをしてほしい」と今後の学校での活用に期待した。冊子は今後、市内小中学校や図書館に配布される。

 このほか、岡部さんと共同で冊子約千部を鮫島自治会に寄付した。問い合わせは寺田さん<電0538(34)0049>へ。

静岡新聞社